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[オピニオン]ソウル広場

Posted May. 11, 2004 22:36,   

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「市庁前の広場を歩行者中心の空間にするという意図は良いが、芝生の広場ではないんです」(インターネットID『市庁前』)。「広場に芝生を植えたら多くの人が利用できないというのは周知の事実だが、もしかして、集会規制のために意図的に芝生を敷いたのではないか」(GOWOONET)。「広場は現在の状況では机上の空論、行政のためのものとみるしかない」(チョ○○)。ソウル市のインターネットホームページに寄せられた市民の意見。オープンしてから12日しかたたない市庁前のソウル広場。その広場の芝生が論争の的。

◆ソウル市庁前を広場に変えるという計画は2002年にすでに決まっていた。同年6月の地方選挙で当選した李明博(イ・ミョンバク)市長が公約に掲げており、3回にわたる世論調査でも賛成意見が80%近く出た。2003年1月、ソウル市は広場作りを懸賞公募した。ここで選ばれた当選作「光の広場」は、広場の地面にLCDモニター2003個を設置して夜間に光の祭典を演出するという「革新的な」構想が盛り込まれていた。しかし当選作は技術補完などを理由に長期検討課題とされ、ソウル市は今年3月から2ヶ月間の工事を行い、今の芝生広場を誕生させた。

◆開場10日で100万人近い市民がソウル広場を訪れたという。索莫たる都心に憩いの場を提供する、開放空間に対する期待感がそれほど大きかったからだろう。しかし副作用はすぐ現われた。以前より一層深刻になった周辺の交通停滞と深刻な芝生の毀損がそれだ。とうとう一昨日、ソウル市は芝生保護のために毎週月曜日は広場への出入りを禁止すると発表した。一週間のうち1日は、広場の主人が市民から芝生に変わったわけだ。しかし、1日を休んだからといって、芝はきれいに蘇るのだろうか。

◆今のソウル広場はソウル市建設本部の設計によるものだ。芝生を敷くという発想も公務員のアイディアから出た。その決定をする前に一回でも、世論を収斂するプロセスを経なければならなかった。せっかく市民の拍手を浴びるに値することをしていながらも、実際は「失敗作」を出したことになったからだ。ソウル市が進めている清渓川(チョンゲチョン)復元事業では、今度のような試行錯誤を繰り返さないように期待する。「早く早く」の見せ掛け行政の時代はもう過ぎた。

宋文弘(ソン・ムンホン) 論説委員 songmh@donga.com