三星(サムスン)電子が世界的な先進企業へと躍進しなかったとしたら、国富は現在の水準にまで達することができただろうか。液晶表示装置(LCD)や半導体などで先端技術を確保することができなくとも、国民が食べていくことが引き続きできただろうか。
韓国が世界1の技術と1位の商品をいくつかの分野で持てるようになったのは、20〜30年前に優秀な人才が理工系に多く流れ、産・学・研の現場で尽力してきたことに大きく支えられている。種を蒔いてこそ花を咲かせることができるという理そのままだ。
問題は未来に希望が持てるほどの新しい種が、国内の科学技術分野に蒔かれていないという現実だ。量的には問題がないのだが、優秀な人材の理工系離れ現象と科学技術頭脳の海外流出が深刻だ。技術系の大企業が海外人材誘致に努めているが、これは国内の科学技術人才育成が危機に瀕したことを裏付けている。
科学技術競争で負けては、国の未来を約束することができない。政府と政界は「科学技術立国」を言葉だけの「周辺アジェンダ(議題)」ではなく、名実共に「中心アジェンダ」に格上げして行動計画を立てて、国レベルで実行にうつすようにしなければならない。政治に集中された国家アジェンダを経済と科学技術の方向に移すリーダーシップが切実だ。
特に科学技術者優待環境が社会全般に広がるようにしなければならない。研究費と奨学金の増額だけでは足りない。科学技術者の職業安全性を持続的に高められる有效な政策が切に求められる。また科学技術分野の支援において根掘り葉掘り手続きのことを突き詰める官僚的発想から脱して、研究者が堂々と楽しく働くことができる風土を作らなければならない。昨日、科学の日を迎え、政府が宣布した「サイエンス・コリア運動(科学文化運動)」が、より体系的かつ実效性を持って推進されることを期待する。






