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[オピニオン]爆弾少年

Posted March. 26, 2004 22:57,   

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パレスチナ人のインティファーダ(intifadah、反イスラエル蜂起)が盛んだった2000年、イスラエルを訪問したことがある。石を投げる少年たちを銃撃するのはひどいのではないかと聞くと、イスラエル公報部長官は、「石は殺傷兵器で、背後にはテロ団体がある」と答えた。出国する時、空港では女性警察官の荷物検索がたいへん厳しかった。「我々はイスラエル政府の招請で来た」と言ったが、聞いてもくれなかった。テロリストがカバンの持ち主も知らぬ間に爆弾を隠すこともあるとの説明だった。

◆イスラエルとパレスチナの間では世界の世論を有利な方向に向かわせるための広報戦が熾烈に行われている。海外マスコミ関係者の招請も広報戦略の一環であろう。米国のメジャー・マスコミをユダヤ系が掌握しているので、広報戦でもイスラエルが有利だ。車寄子に凭れたハマス創設者アハメド・ヤシン師をミサイルで殺害したことに対して非難の世論が沸騰している中、イスラエル軍はナブルス検問所で自爆チョッキを着た16歳の少年を捕まえた。イスラエル政府は素早くマスコミ関係者たちを現場に呼んで、同少年の姿を世界に公開した。

◆パレスチナ人は子供たちが自爆を敢行すれば、「英雄」または「殉教者」と呼び、誇らしく思う。しかし、自爆少年のお母さんは違った。「子供を自爆に利用してはいけない。20歳にでもなれば理解できる。その時は祖国のために争うこともできます。」

ヤシン師を殺害したイスラエルの仕業は批判されて当然だが、彼の率いるハマスは多くの自爆テロ事件の背後勢力と目されている。イスラエルとパレスチナ間の紛争では何が正しくて何が悪いのかを識別するのが非常に難しい。

◆サミュエル・ハンチントン(Samuel P.Huntington)は著書『文明の衝突』で「イスラムの国境線は血に塗られている」と記述し、イスラム世界から非難を浴びた。彼は民族紛争と軍事統計を引用して、「イスラムの人たちは危機状況が発生した時、暴力で解決しようとする性向が高い」とイスラムの暴力性と好戦性を主張する。しかし、結果だけで言うのは不公平な側面がある。自爆を敢行するパレスチナ人たちの絶望に対しても触れなければならない。自爆少年のお母さんは、「我々は大きな監獄の中に住んでいる」と言った。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com