韓国の政治史を塗り替えた「50分間のドラマ」であった。
12日、憲政史上初の大統領に対する弾劾訴追案の議決は、与野党議員らの激しいもみ合いや怒鳴り声、泣き喚く声が入り交じったなか、午前11時56分を期して、すべて終了した。
▲騒然となった歴史の現場〓午前11時6分、朴寛用(パク・クァニョン)国会議長が警衛らの護衛を受けながら本会議場に入場、左側の階段から議長席に向った瞬間、本会議場は騒然となってしまった。
議長席を占領していた、ヨルリン・ウリ党の安泳根(アン・ヨングン)、任鐘鉊(イム・ジョンソク)議員らが「阻止せよ」「議会クーデター」などと泣き喚きながら抵抗したほか、張永達(チャン・ヨンダル)議員は議事棒を投げ飛ばして阻止した。
議長席をめぐり激しくもみ合う過程で、与野党の議員が入り乱れたまま倒れることもあった。李富栄(イ・ブヨン)議員ら7人の議員が警衛らによって強引に連れ出されながら「悪い奴ら」「お前らはヤクザか」などと罵りながら必死に抵抗したものの、結局及ばなかった。
こうしたなか、朴議長がこれ以上見ていられないといった表情で階段を降りてきたが、野党の議員らに遮られ、朴議長は「この馬鹿野郎どもが」と怒鳴るなど、誰もが感情的になっていった。
14分後、結局議長席を占めていた張永達議員が引き降ろされ、議長席に着いた朴議長は、本会議の開会を宣布するとともに、直ちに無記名投票を宣言した。午前11時22分のことだった。
野党の議員たちは、議長席の左側に設けられた起票所のみを利用して投票を進めた。鄭東泳(チョン・ドンヨン)議長ら、ヨルリン・ウリ党の議員10数人が議席の上にあがり「虐殺劇だ」「政権簒奪を中止せよ」などと声を張り上げて投票中止を求めた。
騒ぎの中で投票が終わり、ハンナラ党の李在五(イ・ジェオ)議員が議長席に向って右手で円を書いて見せると、朴議長は投票の終了と開票を宣言した。午前11時56分、朴議長が開票結果を公式発表し弾劾案の可決を宣布すると、ヨルリン・ウリ党の議員たちは、議長席に向けて名札や靴、書類などを投げ飛ばして激しく反発し、ハンナラ党と民主党の議員たちは、拍手をしながら歓声を上げた。
▲怒れる与党、錯雑した心境の野党〓ヨルリン・ウリ党の議員らは、テレビカメラに向って抱き締めては、涙ながらに国家を歌った。金富謙(キム・ブギョム)議員は「国民の皆さん、申し訳ありません。私たちは弾劾案を止められなかった罪人です。国民のみなさが支えて下さい」と述べ、ヨルリン・ウリ党の議員らは一斉にひざまずいた。
ウリ党の議員らは、続いて本会議場で議員総会を開き「大韓民国の憲政史と民主主義の歴史に弔鐘を鳴らした者たちに対抗して、第2の6月抗争を展開する」として、総じて議員職の辞退を決議した後、院内代表に辞職願を一括提出した。金栄春(キム・ヨンチュン)議員は「今日限りでこの汚らわしい議員バッジを外してやる」として、怒りを表した。
ハンナラ党と民主党の議員たちも錯雑とした表情だった。ハンナラ党の崔秉烈(チェ・ビョンリョル)代表と民主党の趙舜衡(チョ・スンヒョン)代表は、それぞれ議員総会を開いた後の記者会見で「不正は長続きしないものだ。弾劾案の表決で勝ったものの、少しも嬉しくない」として「高健(コ・ゴン)首相の国政運営に支障がない様、全面的な支援を行うつもり」と述べた。
▲盧大統領の一足遅かった謝罪と朴議長の強攻〓これに先立ち、午前9時50分ごろ、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の国民向け謝罪表明の内容が野党議員らに伝えられたが、もはや大勢を変えることはできなかった。
ハンナラ党と民主党の指導部は「遊びのつもりか」と反発しながら、賛成の立場を再確認した。
一方、朴議長は12日、迷わず秩序維持権を発動し、ヨルリン・ウリ党の議員らに対し「自業自得」とつめよるなど、正攻法を取った。
朴議長は、12日の午前10時、盧大統領の謝罪発言を伝え聞き「こんなことでは国民が納得しないはず」として、嘆いていたという。






