盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の側近不正事件を捜査している金鎮興(キム・ジンフン)特別検事(特検)チームの李愚昇(イ・ウスン)特検補が突然辞意を表明した。「金振興特検号」は、それによる内紛まで重なり、リーダーシップ不在と信頼性失墜で、今後の捜査に少なからぬ影響を及ぼすことになった。
今すぐ組職を再編すべきなのはもちろんだが、内部の葛藤と過酷行為などの問題が本格的に浮上する場合、徹底した捜査終了は難しいものとみられる。
▲特検、どうして?〓検察が捜査を終えた事件に対して特検が再捜査を行う過程で、1ヵ月が過ぎてもこれといった成果を出ないことから、せっぱ詰まった特検チーム内部での葛藤が招いたことだというのが、特検チーム内外の分析だ。
当然「2月中旬までに目に見える成果を出す」とした特検チームとしては負担が大きくならざるをえない状況。李特検補が2日、農協の115億ウォン詐欺融資事件の担当者である崔(チェ)課長を調べる過程で、同じ陳述が繰り返されると足を蹴ったりした。さらに翌日の3日には捜査官たちに「ほっぺたを殴ってでも供述を確保しなさい」と指示したのも、こうした流れで解釈することができる。
葛藤の発端となったのは、李特検補が農協職員たちの拘束捜査を試みると、派遣検事が職権乱用を提起しながら、これを引き止めたことにある。特検法が捜査対象を「特定の人の不正疑惑」と明示しているため、捜査拡大が難しい状況で「経験の多い派遣検事」と「捜査の成果をあげることにやっきになる特検補」の間の意見衝突が火種となった。
▲残りの捜査はうまく行くのか〓特検補が一人抜けた状態なので、特検チームは今すぐ組職を再編せざるをえない。しかし、これから本格的に捜査をしなければならない時期に全く内容が分からない新しい特検補を任命すると負担が伴う。それに適切な人物を短期間で見つけて特検補を引き受けるという「許諾」を得にくい状況だ。事件をきっかけに金特検のリーダーシップも議論になっている。
「派遣検事が最初から捜査を妨害しており、捜査状況を最高検察庁に報告した」という李特検補の主張が事実であれば、派遣捜査官らが入れ替わる可能性もある。特検と検察の否認にもかかわらず「検察が特検の捜査を調整した」という主旨の主張が出ただけに、特検捜査の信頼性もかなり失墜した。
捜査の過程で過酷行為があった事実が明らかになった点も、今後特検捜査の公正さに議論を呼ぶものとみられる。したがって、今度の事態は、ただでさえ「時間はなく、道程は遠い」特検チームにとって大きな負担となるものとみられる。
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