記録によると、戦場の周りには常に女性がいたとされる。広大な土地を占領したローマ帝国は、兵士たちに仕える女性の奴隷を、組織的に管理していた。16世紀、スペインのアルバ公の軍隊がオランダに侵攻する際、1200人の娼婦を同伴した。19世紀の英国では、産業革命により貧困層が増え、軍隊には大勢の娼婦が供給された。当時、英国の下院では、フランスの軍隊より3倍も多い性病を退治するため「伝染病防止法案」を制定、女性の健康検診を強制的に実施したという。第1、2次世界大戦当時、西欧では、従来の紅灯の巷を、ドイツ軍兵士のための場所として活用した反面、東欧の女性は、強制労役や売春の選択を強いられた。
◆19世紀末から20世紀の初めにかけて、アジア各地では、いわゆる「カラユキ」という、日本の流浪娼婦が活動していたと伝えられる。性的なサービスのため、女性を輸出する伝統を持つ日本は、韓国の女性も日本軍慰安婦として駆り出された。問題は、そこで止まらない。当時、日本によって拉致、または騙されて連れて行かれた韓国の乙女たちは、欧州の娼婦でも、ローマ時代の奴隷でもない、東方礼儀之国の、平凡な女性たちだったのだ。一瞬にして奴隷となり、娼婦役を強いられた後、帰郷した彼女たちはその後、自分たちを受け入れようとしない閉鎖的な韓国社会の価値観のため、半世紀ものあいだ沈黙せざるをえなかった。このように、従軍慰安婦たちは、連れて行かれた時に1度、帰ってきて1度、合わせて2度死んだのである。
◆このほど、ある有名な女性タレントと企画会社が、慰安婦の女性たちに3度目の死を強いる、とんでもないことを仕出かした。慰安婦をモチーフにして、芸術でもわいせつでもない、得体の知れないセミヌードを撮影、動画サービスを行うと発表したのだ。論争好きな韓国のネチズンたちも、今回に限っては、一斉に非難を浴びせるほどの激憤ぶりだ。ターゲットとする消費者たちを怒らせるのは、最悪のマーケッティング戦略と言える。もちろん、収益に全く関心がなかったというなら、話は別だが。
◆いずれにせよ、そのタレントも3度死んだことになる。神秘に包まれるべき女優が、脱いだことで1度、歴史が、そして慰安婦がどういうものなのかすら知らない、浅墓な知的能力を露にしたことで2度、自分の存在理由であるファンから見放されたことで、3度死んだのだ。
朴ソンヒ、客員論説委員(梨花女子大教授) shpark1@ewha.ac.kr





