
ピアニストのイム・ドンヒョク氏(20)。もはや彼には「神童」という修飾語より「若いマエストロ」という言葉がよりふさわしくなってきている。01年、ロンティボコンクール優勝後、昨年ベルギークィーンエリザベスコンクール3等入賞を拒否したことで、国際音楽会に波紋を引き起こした彼は、今日世界的なミュージック会社EMIの看板スターとして君臨している。
最近、第2集アルバムを出し、15日(釜山・プサン)、21日(ソウル)来韓独奏会を控えている彼のドイツ・ハーノバーの自宅に電話をかけた。
——どうも。モスクワのイム・ドンヒョク君を覚えているファンの中には、イム君がドイツに住んでいるのを初耳である人が多いと思いますが。
「モスクワ国立音大を卒業してから、昨年ハーノバー音大に入学し、家族全員が引越しました」
——一日のスケジュールを…。
「ハーノバーの中心街からはやや離れている田舎です。練習以外の時間には、自転車に乗って田園を走り回ったり、『ゴールドレトリバー』種であるマック(愛犬)を連れて、散歩したりしています。昼寝も欠かさずやっています」
——やせすぎているという向きがありますが、昼寝は体重を増やすのにいいと聞きますが。
「腕の力をつけるために、甘いものもわざわざたくさん食べて体重を増やそうとがんばってみたんですが、やったかいもなくすぐ元に戻ってしまいました」(彼は身長175cm、51kg)
昨年、彼がコンクールの入賞を断ったとき、一部からは「横柄だ」「国内の音楽徒たちの海外コンクールの挑戦に悪影響を及ぼすだろう」と非難の声もあった。
「重ねて明らかにしたいのは、私が1、2等にならなかったため、受賞を拒否したわけではなく、10等でも惜しいような演奏者がこれ見よがしに2等についたということに承服することができなかったんです。コンクールは、授賞式で終わるわけではありません。受賞者の演奏会を引き続き行いながら、2等の入賞者と同行しなければなりません。承服するには、心苦しく、意味のないことだと思ったからです」
彼は続いて「不公正な決定に素直に従うのが、真の韓国の音楽的なステータスに役に立つことでしょうか」と、一言付け加えた。
CDに話題を移してみた。彼は、新しいCDをショパンの曲ばかりで収録した。
「好きですし、私に合う作曲家なのでショパンを選びました。昨年8月、ロンドンで録音しましたが、50年ぶりの猛暑に見舞われ、汗びっしょりの苦労をしながら作業しましたが、編集されたCDを聞いてみると、おおむね満足でした。次のアルバムは、協奏曲にする計画です。ラフマニノフなどをめぐって、選択に迷っています」
今回のコンサートで、彼はショパンのソナタ2番と新しいアルバムに収録された「3つのマジュルカ」などを演奏する。
ソウルの公演は21日午後7時半、「芸術の殿堂」のコンサートホール、釜山公演は15日午後7時、釜山文化会館大劇場。3万〜5万ウォン。02—751—9606〜10(ソウル)051—746—6893(釜山)
gustav@donga.com






