検察が、一昨年の民主党大統領候補の党内選挙当時の資金出所と関連して、韓和甲(ハン・ファガプ)議員に対して司法処理に踏み切ったことで、政局は蜂の巣をつついたようだ。検察は、不法大統領選挙資金の捜査過程で韓議員がカネを受け取った事実が明るみになり、そのための捜査で標的捜査ではないと主張する。しかしこれまでの状況に照らして、検察の主張を文字通り信じることはできない。
「国民参加」の形で行われた民主党の大選候補党内選挙の過程で、韓議員ら5人は途中で退陣し、最後まで残った候補は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と現ヨルリン・ウリ党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議長だった。当時選挙人団の大半を候補側が動員する過程で、莫大なカネが動いたといううわさが広まった。実際に、選挙管理委員長で党内選挙の管理を総括した金令培(キム・ヨンベ)前議員は「国民参加の党内選挙は詐欺劇だった」と暴露している。
だとすると、最後の走者は見逃して、中途脱落者の資金だけを捜査するのは、常識的に考えてもおかしい。検察は、盧大統領と鄭議長の場合、何も明らかになっておらず、捜査する考えもないとしているが、それは公正性と平等性に合致しない。両氏とも、「合法の枠の中でできない」(盧大統領)、「恥ずかしく思う」(鄭議長)と述べ、事実上不法資金の使用を認めている。
ただでさえ検察は、不法大統領選挙資金の捜査と関連してハンナラ党は集中的に暴いて、盧陣営は適当に見逃すという非難を受けている。今まで明らかになった「ブラックマネー」も、ハンナラ党は580億ウォンだが、盧陣営は70億ウォンに過ぎない。このような状況で党内選挙の捜査まで敗者に集中しては、検察に対する信頼は墜落するしかない。
そのうえ韓議員は、現職長官を含む与党議員からウリ党入党を誘われ、これを拒否するや、捜査が始まったと主張している。検察は韓議員だけでなく、盧大統領と鄭議長の党内選挙資金に対しても捜査して当然だ。これを通じて、不法党内選挙資金の明細を明らかにして、与党入党拒否に対する政治報復という韓議員側の主張の真偽もはっきりさせなければならない。盧大統領と鄭議長がすべてを公開して、検察の検証を受けるのも一つの方法だ。
ただ民主党と韓議員が公権力の法執行を物理的に阻止することは、国民の共感を得られないだろう。法手続きを尊重してこそ、いかなる主張も説得力がある。






