
プロバスケットボールのオリオンズの試合ではしばしば珍しい場面が演出される。試合途中、オリオンズのベンチで金ジン監督(42)がいきなり立ち上がってカードを抜いて振るのだ。気の利く観衆なら一度ぐらいは見たことがあるだろう。
さらに絶妙なのは金監督がカードを抜くと選手らの動きが目立って変わることだ。選手らが約束でもしたように走り回って攻撃のパターンが大きく変化する。審判でもない監督がカードを抜く理由がここにある。
金監督はそれぞれ違うカラーの8枚のカードを洋服の上着のポケットに大事に入れて、持ち歩いている。このカードこそ金監督の「作戦内攻」が込められている秘方。横8センチ、縦20センチ大できれいにコーティングされているこのカードは金監督が念を入れて直接作ったもの。
金監督は、「体育館の騒音がひどい時、声だけで作戦を伝えることは限界があり、苦労することが多かった。カードを使えば敢えて大声を出さなくても済むと思って使うようになった」と話した。昨シーズン、レッド、イエロー、ブラックの3枚で始めたカードは5枚に増えた後、今シーズンに入って8枚に増えた。視覚的に目によく入る強烈なカラーを選んだというのが金監督の説明。
「8色カード」の効果はどうだろうか。「すごく満足しています。適時にコミュニケーションが行われるので、右往左往しながら時間を無駄にすることがなくなりました」。前は主に手信号や約束された単語を通じて作戦を指示したので、選手らが逃す時があったという。試合終盤の合戦状況ではただ何秒でもそのまま流してしまえば致命的だということだ。
オリオンズの看板スター金ビョンチョルは、「うるさい時、監督の意中を早くキャッチできる」と話した。たとえば、金監督が試合途中、レッドカードを抜いて持ち上げれば、選手らが一斉に、「レッド、レッド」を叫びながら約束された攻撃を展開する。このため、シーズン前、カラーによってそれぞれ違う攻撃パターンを数え切れないほど繰り返し訓練したという。野球で「サイン盗み」があるように、カードパターンも長期レースでよく使うと、相手チームにばれる恐れがあるため、ラウンドごとに変化を与えている。
オリオンズは30〜40種の多様な攻撃パターンを駆使して、19日現在、単独トップのTG三宝(サムボ)に1試合差で遅れた2位タイに上がって、3年連続レギュラリーグ優勝を狙っている。このため、金監督の「8色カード」は他のチームには「恐怖のカード」と呼ばれている。
金鍾錫 kjs0123@donga.com






