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[オピニオン] 「38度線」

Posted November. 03, 2003 22:50,   

今考えてみると「五六島(オリュクド)」はもちろん「沙悟浄(サオジョン)」も幸せだった。ついこのあいだまでサラリーマンは、45歳になると定年(サオジョン)、56歳までいれば泥棒だ(オリュクド)と言いながら苦笑いしたものだが、もはや「38度線(38歳でも穏やかに退職を受け入れる)」時代だという。リストラの嵐が吹き荒れている証券街では「30代名誉退職」の現象が著しい。労働部の調査によると、昨年賃金勤労者1000人のうち定年退職した人が4人というように、職場で定年を迎えるのは最高経営者(CEO)になるのと同じくらい一大事のように考えられるようになった。会社で組織再編やリストラの話が出ると胸がドキッとし、「最近、どうしたんだ」という上司の一言で眠れなくなる「リストラ恐怖症」も出ている。

◆「38度線」が増える理由を、業界では人事システムが西欧型に変わったためだと解釈している。過去のリストラの対象は、主に年齢の多い職員だった。もはや計量化された人事考課が基準となってきた。年齢と関係なしに成果が冷静に判断される「階級定年」が導入されたのだ。若いサラリーマンは、全国を騒がせる大学入試を通過し、やはり全国民が心配している青年失業まで勝ち抜いてやっと就職したと思ったら、机を配属されるや否や早期退職を心配しなければならない。それでも「38度線」が衝撃と恐怖だけで捉えられているわけではない。一歳でも若い時に、会社が慰労金でも割り増ししてくれる時に、最大限大金をもらって第二の人生を送るほうがいい、と考える向きも少なくない。

◆「38度線」が韓国だけの現象とは言いがたい。終生職場という概念は、世界的に絶滅の段階にある。グローバル化とテクノロジーの変化などによる構造的な変化のためだ。世界の生産工場は、人件費が安く企業しやすい国に、国境を問わずに移動している。コンピューターとインターネットは、過去人間がしていた仕事を早いスピードで代替していった。技術革新で生産性が高まるほど、必要な労働人力は少なくなる。景気がよくなったとしても、失業率、とりわけ製造分野の失業率減少を期待することは困難になった。成長業種で億ウォン台の年俸をもらう核心人力、知識労働者が増加すればするほど、斜陽職種の低熟練、低賃金労働者の暮らしは、日増しに苦しくなる。労働市場も両極化体制だ。

◆「人間資本の貧しきものはさらに貧しく、富めるものはさらに富める」現象は頭に鉢巻をして道路に躍り出たからといって解決されない。労組が怖くて企業できないといって工場をたたんでしまえばみんな損をする。昨年柔軟になった労働市場の問題は、まず各自が自分を「ブランド化」することで対処するしかない。絶えず再教育とネットワーキングでいつでも新しい仕事を見つけて出発できるように備えることだ。政府が「企業しやすい国」にしてくれることを、心から切に望みながら。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com