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「オピニオン」紅葉

Posted October. 22, 2003 23:12,   

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韓国は世界でも紅葉の美しく染まるところだ。紅葉は、気温が氷点下に下がらず、昼と夜の日較差が大きい気候条件のもとで最も華麗な色となる。韓国の秋の天気がまさにそうである。紅葉がきれいに染まるころになると、中国大陸から韓半島の方向に強い北西風が吹いてきて、空はさらに高くて澄む。眩しいほど恍こつな秋は、神がわれわれに与えた祝福と言えよう。山の驚くべき変身と誘惑にひかれて、普段山を訪ねない人々も紅葉を見に行く。秋の山は豊饒である。訪ねた人々を、そのまま帰さず、喜びと慰安、休息などといった貴重な贈り物をくれる。

紅葉と秋の山についての先人らの礼讃は、あちこちに残っている。「俗客の足が着かない所/のぼってみると心が清くなる/山の風景秋だからさらに美しく/川の水は夜なのにもかかわらずさらに明るい」高麗の学者、金富軾(キム・ブシック)が残した文だ。朝鮮(チョソン、1392〜1910)王朝時代の文人、申欽(シン・フム)の文もある。「森に入っていき木の根の上に座ると/踊る紅葉の葉は服の上に落ちる/野の鳥は枝の間で人を見ており/荒涼としていた地が晴れてくる」林の精神的かつ肉体的な治癒効果を見いだした研究者、ウィリアム・エバンズは「森のなかであなたの生は、新しく広まり、貴方は生から価値あるものを選び出す能力を得るだろう」と語っている。

生物学的に考えてみると、紅葉は、木が冬を過ごし、新しい春を準備する過程だ。葉にあった営養分を幹と根にすべて移しておいて、葉と「離別」をするのだ。秋になって冷えびえとした天気になると、葉に青い色を与える葉緑素が破壊され、それ以上は光合成ができないからだ。葉を落とした木は、再び春を迎えるために全力を尽くし、若芽の準備をする。だから、ある学者は、紅葉について、木の諦念と悲しみの表現だと話したのだろうか。

△紅葉の季節だ。紅葉がよく染まるためには、天気が晴れなければならないが、今年は9月中に秋晴れが続いていたおかげで、紅葉がとても美しくなるだろうという。紅葉が人間にあたえる最も大きな美徳は、忙しい現代人を山に呼び入れるというところにある。しばしであろうと自らを省みる時間を提供してくれる。清涼山(チョンリャンサン)に紅葉をみるために向かった観光客が大きな事故にあったというニュースは、われわれをもう一度憂うつにさせる。安全不感症は、不治の「韓国病」なのだろうか。山へ向かうとき、紅葉の華麗なる姿ばかりに注目してはならない。紅葉は未来に備える過程だという自然の摂理からも、何にかを学ぶべきだ。後進国型の交通事故が二度と再発しないように徹底的に準備する姿勢を、話しているのだ。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com