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[オピニオン]国防長官の傘

Posted October. 02, 2003 23:34,   

「韓国軍人か、いいね」。軍隊の市街行進があった1日午後、ソウル光化門(クァンファムン)で、ある市民が隣の人に話す。「うーん、頼もしいね」。隣の人も相槌を打つ。この日、小雨が降る中、韓国軍隊は久しぶりに堂々とした偉容を見せてくれた。市民の中には、交通渋滞に不満を言う人はほとんどいなかった。国産技術で開発されたミサイルなど先端兵器が通り過ぎるたびに拍手が溢れ出た。これまで鉢巻と旗で武装したデモ隊の無秩序な行動に食傷したためだろうか。市民は、韓国兵士の力強い号令と整然とした秩序正しい行進に、一種の「安堵感」を感じているようだった。彼らがこの国を守っているという信頼からだった。

◆市街行進に先立って、午前、京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)ソウル空港で行われた記念行事には、軍の元老も多く参加した。70、80歳高齢の軍創設元老、参戦元老、傷痍軍が、現役の兵士と一緒に行進に参加したのは、今回が初めて。国家有功者に対する礼遇として企画されたイベントである。だが、行事が終わった後、軍の元老の表情は明るくなかった。閲兵式の間、鉠永吉(チョ・ヨンギル)国防長官が盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に傘をさしかけていた姿が気にかかったからだ。ある予備役の将校は、行事の後、国防長官と握手を交わす時に「腕がとても痛かったでしょう」と心配げに言葉をかけたという。

◆軍の統帥者である大統領に国防長官が傘をさしかけて何が悪い、と反問することもできよう。だが、この日は、他でもない国軍の55回目の誕生日である。誕生日を祝うために、現役の兵士だけでなく、軍の元老まで、雨に打たれながら行事に参加した。そんな日に、軍の実質的な総帥である国防長官が傘をさしかけたのは、どう考えても見苦しい面があった。「若い」大統領が傘を断る様子でも見せたのなら、そして兵士たちと一緒に雨に打たれながら閲兵する姿を見せてくれたら、この日の行事はさらに輝かしいものになったろうに。そうしていたら、大統領の軍に対する愛情がさらに浮き彫りにされたのではないだろうか。

◆大統領府は昨日、出入りの記者に「大統領が雨に打たれて風邪でもひいたら大事ではないか」と話したという。間違ってはいない。だが、少々残念である。当時の情況からして、大統領が国防部が事前に準備した雨着と帽子を着用するのに問題があったのなら、警護の者が傘を持つように取り計らうことはできなかったのか。そんなことで、今回の「傘のハプニング」は儀典上の硬直性を端的に表したものであり、政府が強調してきたシステム作動が順調ではなかったという一例である。今後、もしや、外国の国防長官が「傘をさしかけた」韓国の国防長官を軽んじはしないか心配だ。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com