国家情報院(国情院)が昨日、ドイツ在住の社会学者・宋斗律(ソン・ドゥユル)教授に対して公訴保留を但し書にした起訴意見を検察に送致した。司法処理するかどうかは検察が判断することだが、国情院が国会情報委員会(情報委)の国政監査で説明した内容は、宋教授は海外の民主人士と思っていた多くの人々を当惑させる。
国情院は、情報委で宋教授が労働党序列23位の政治局候補委員であり党中央委員だと報告した。宋教授は73年から今年3月までに18回も訪朝し、毎年研究費として2万〜3万ドルを受け取っていたという。また、数十回にわたって金日成(キム・イルソン)親子の萬壽無彊(寿命が永遠なること)を願う直筆文を北朝鮮側に送り、金日成主席死亡の際には、金正日(キム・ジョンイル)総書記の手をつかんで泣き叫んだという。
宋教授の弁護人はこれまで、宋教授が始めて北朝鮮を訪れた時、「通過儀礼」と考えて労働党に入党願いを出し、数回航空費を受け取ったことはあるが、決して労働党序列23位の金チョルスと同一人物ではないと説明してきた。しかし国情院は、宋教授が平壌(ピョンヤン)で2週間にわたり教育を受けて労働党に入党し、91年5月に「金チョルス」という名で政治局候補委員に選任されたことを明らかにした。
何よりも宋教授が30年の間、自分の「正体」を徹底的に隠して嘘で一貫してきたことは、容認できない。宋教授が、南と北の「境界人」であることを自負して北朝鮮をその内部の論理と見るべきだと強調した「内在的アプローチ法」もその純粋性を失った。
宋教授はもはや自分の「選択」と「行動」を正直に告白しなければならない。国情院と検察も、宋教授に関連する一切の真実を余すところなく明らかにしなければならない。宋教授の帰国が、過去の行動に免罪符を与える「通過儀礼」になってはいけない。宋教授に対する司法処理として挙げられた公訴保留措置は、国家保安法違反事件に限り、確かな思想的転向と徹底的な自己反省が公開で表明された時にのみ異例的に適用されてきた。宋教授も例外ではない。






