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[オピニオン]泥沼にはまった米国

Posted September. 02, 2003 23:24,   

「ブッシュ政府内の各省庁は、まるで高校生の集団のように行動して、米国の対イラク政策はないも同然だと言えるほどマヒした状態だ。国際主義者と一方主義者の力比べの審判をしなければならないライス大統領補佐官は手を引いた」。「ニューヨーク・タイムズ」のコラムニストであるモーリン・ダウド氏は昨日、米国のイラク政策をこのように叱咤した。これだけではない。最近、米マスコミにはイラクの状況を憂慮するトーマス・フリードマンやポール・クルーグマンのような名うての論客の寄稿が掲載されている。

◆戦争期間26日、米軍死亡者138人、戦費480億ドル(7月15日基準)・・・。米国は、5月1日にイラク戦終了を宣言して、最小の費用で最大の成果を収めたと誇った。唯一の超大国として、米国の地位が上がったことは言うまでもない。しかし勝利の歓呼も束の間、イラクは米国にとって脱け出せない泥沼になりつつあるようだ。継続する爆弾テロで、イラク政情は内戦直前状態にあり、終戦後の米軍の死亡者数は、戦時中の死亡者数を超えた。さらに、イラクに投じなければならない金は、それこそ「底の抜けたかめに水を注ぐ」ようなものだ。米軍約13万6000人の1ヵ月の駐留費用だけでも40億ドル。さらにポール・ブリマー行政官は、来年だけでイラク再建に数百億ドルが必要だと話す。

◆イラクが、ブッシュ大統領再選の足かせになることが明らかになるにつれ、米国内の強硬派も立場を変えつつある。過去5年間、フセイン政権を転覆させなければならないと強く主張してきたアーミテージ国務副長官は、先週「イラク内の米軍指揮権を国連に委譲できる」と語った。国連の承認なしに戦争を始めた時とはかなりの変化だ。リチャード・ポール国防委員長のような代表的な強硬派も、「早期にイラク人に権力を委譲しよう」と提案している。しかし、言葉だけが飛び交うだけで、ワシントンはまだどっちつかずの姿勢だ。

◆イラクの状況は、北朝鮮にとっても関心事にほかならない。米国がイラクの泥沼に深くはまるほど、北朝鮮は時間をかせげると考えるだろう。さらに来年には米国大統領選挙まであるため、北朝鮮としては快哉を叫ぶに値する。しかし、それは木を見て森をみない考えだ。米国にとってイラクと北朝鮮は全く異なる対象だからだ。6者協議からが、国連を無視して一方的な戦争を始めたイラクとは違うアプローチではないだろうか。フセイン政権の道を踏襲するかどうかは結局北朝鮮にかかっている。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員songmh@donga.com