「ターミネーター」アーノルド・シュワルツェネッガーが米国カリフォルニア州の州知事選挙に出馬する意思を表明したのはテレビ深夜トークショー「トゥナイト」であった。2ヵ月前「ターミネーター3」を広報したその席で、シュワルツェネッガーが「(州知事に)頭に来てこれ以上受け入れられない」と言った言葉は、映画「ネットワーク」の中のせりふで、「hasta la vista(さよなら)、ベィビー」「私は戻って来る(I’ll be back)」と言った言葉は「ターミネーター」に出てくるせりふだとニューヨーク・タイムズ紙は紹介した。政治(Politics)と娯楽(Entertainment)の幻想的な出会い、いわゆる「ポリテインメント」の現場だ。
◆ポリテインメント現象は最近のことではない。J・Fケネディ大統領が娯楽のように楽しい政治を切り開いたとすれば、俳優出身のロナルド・レーガン大統領は娯楽と政治の境目を崩した。ビル・クリントン大統領時代はポリテインメントの黄金期だった。クリントン大統領はテレビに出てサクソフォンを吹いたし、MTVには政治家たちが出演して好きな下着の色について話した。こういう時代は、しかし9・11同時多発テロの惨事によって大きく萎縮した。テロが発生してから6日でビル・メイホというコメディアンがテロリストと米大統領を比べ風刺して首になった。国の安寧が危うい時期、国民の生命を保護しなければならない大統領がテレビショーで笑い者にされるのは認められないことだった。
◆州知事選に出馬する意思を表明したアクションスターの支持率が急騰しているのをみれば、米国が再び「帝国主義」の黄金時代を享受するようになったようだ。身を惜しまず人間を救うターミネーター、強くて男性的なマッチョまたはリーダーのイメージだけでも、シュワルツェネッガーは十分敵を制圧するはずだという分析もいろんなところから出ている。「政治はすでにショービジネスのフレームの中で動いている」というコミュニケーション学者のマーティン・ケプランの言葉を借りなくても、政治とショーの共通点は数え切れない。人気に頼って暮らすとか、演技力と意思疎通の能力が大事だとか、権力が動く裏切りの波に乗ることができなければならないなどだ。それでワシントンでは「政治というのは馬鹿な人々のためのショービジネス」という言葉もある。
◆経験と識見が足りないという点で、シュワルツェネッガーは決して第2のレーガンにはなれないという批判が強い。しかし無能さが「裏付けられた」わけでもなく、移民出身なので「アメリカンドリーム」の希望を与え、政治的負担がなく利益集団に振り回されるリスクがないため、むしろ勝利の可能性が高いかも知れない。政治が娯楽のようになるのは嬉しいことだけではないが、それでも私たちのように悲劇であるよりはましだ。
金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com






