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「揺れる心…揺れるスラッガ」 三星の馬海泳

「揺れる心…揺れるスラッガ」 三星の馬海泳

Posted June. 12, 2003 22:30,   

三星(サムソン)ライオンズ球団で、李承鎏(イ・スンヨプ)を将棋の「車」(日本将棋の飛車)にたとえるとすれば、馬海泳(マ・へヨン)は、「包」(動きは飛車と同じだが、味方の駒を飛び越えて進むことができる)にあたるスラッガー。そのために付けられた異名も「(マポ)馬包」。ところが、この馬包がスランプに陥った。金應龍(キム・ウンリョン)監督も「馬包が当たらなくなったので心配だ」と話した。

昨年、李承鎏—馬海泳と続く三星の3、4番の打順は、8球団のうち最強といわれた。2人は、韓国シリーズの第6戦でも同点本塁打と逆転本塁打を放ち、歴代最高の名勝負を演出した。ところが、このごろ馬海泳のバットが病んでいる。病が始まったのは、あいにく李承鎏のホームラン砲が次々と弾けはじめたのと時を同じくしている。

先月27日まで李承鎏の本塁打は17本、馬海泳は14本と3本差だった。ところが先月28日、大邱(テグ)で行われた斗山(ドゥサン)戦で、李承鎏は2本の本塁打を放ったのを契機に、15試合で12本の本塁打を打ちまくった。

一方、馬海泳は、以後2本の本塁打しか追加できず、5月30日の文鶴(ムンハク)球場で行われたSK戦から8日、大田(テジョン)での韓火(ハンファ)戦までの10試合で、30打数1安打という最悪の成績を記録した。11日のロッテ戦では、4回無死1、2塁のチャンスに出番を迎えたが、3塁ゴロでトリプルプレーになるという陳記録まで。4番だった打順も7番に降格、プライドも傷ついた状態。

馬海泳の不振には、李承鎏に対する密かな競争心が、かなり働いているとの解釈だ。

馬海泳は、李承鎏が米国に進出する前に、ホームラン王の勝負をしようと目標を立てた。しかし、李承鎏が圧倒的なペースでぐんぐんと成績を上げたため、決心が揺れはじめた。

三星の朴フンシク打撃コーチは「(馬)海泳のスランプが、李承鎏の上昇ムードと関連がないとは言い切れない」としながら「スイングが大きくなったため、バランスが崩れてしまった。自分でも揺れているようだ」と説明した。馬海泳は、ロッテ球団にいた1999年、初めて打撃王(.372)のタイトルを獲得したものの、当時李承鎏の本塁打新記録(54本)の影に隠れてしまったことを、今でも悔しく思っている。

打者として、一本勝負を狙っているのもそのためだ。しかし、心を無にしない以上、自滅を招くかもしれない。



金相洙 ssoo@donga.com