教授の社会的地位が、韓国ほど高い国もまれである。政府傘下の各種委員会は、主に教授中心に構成される。各種の媒体に登場する専門家もすべて教授だ。教授が受け取る年俸は、他の国の職業別賃金に比べて相対的に高い。国内の正教授の平均年俸は5000万ウォン水準だが、研究費など他の収入を合わせるとこれよりも多い。ある人は、韓国社会で教授は朝鮮時代の学者集団に該当すると喩えた。学者が王に「直言」をしたように、教授が識者集団として批判的な意見を出し、時には国の要請に応じて官職に就いたりするというのだ。
◆国内では専門大学(短期大学に当たる)を含めて計6万人の教授がいる。大学ではこの他に、非常勤講師8万4000人、助教2万6000人が教授を補佐し、教育の一翼を担っている。教授と非常勤講師は身分と待遇の面で雲泥の差だ。非常勤講師は1時間当たり平均2万3000ウォンの講師料を受け取るが、一言で言えば交通費の水準だ。対外的に教授という肩書きが名誉なものとして認識されている反面、非常勤講師は「風呂敷き商い」、「キャンパスの奴隷」とまで蔑まれながら、教授になるまで「忍苦の歳月」を送らなければならない。
◆非常勤講師の問題は、キャンパスが抱えている構造的な問題の中心に位置している。キャンパスではいまだに師弟関係という儒教的な秩序が蔓延っている。師匠や先輩教授を批判することはタブー視され、もしこれを侵すと不利益を甘んじなければならない。非常勤講師が教授への身分格上げを願っているとすれば、こうした秩序に順応しなければならないのだ。批判と討論が命であるキャンパスで、こうした前近代的な風土が国際競争力の停滞を招くのは当然だ。もう一つ、非常勤講師の暮しがままならず、他の副業を探すなどして研究に疎かになるということだ。大学の研究機能を蝕む主な原因になっている。
◆一月の講師料の収入が40万ウォンの、ある非常勤講師が自殺した。経済的な貧困が彼を死に追いやったのだ。非常勤講師として現在勤めていたり経験のある人ならば、彼の境遇に共感し、遺影の前で涙を流すだろう。非常勤講師の科と言えば、学問の道を選んだだけなのに、彼らの苦しみが累積して行き、将来には学問を選ぶ人などはいなくなるのではないかと懸念せざるを得ない。彼らが仕方無しに外国に働き口を捜し求めるようになれば、これは直ちにブレイン流出になる。大学が待遇改善と教授任用拡大に積極的に乗り出すべきだ。だが、大学では最近経営難で「足元に火」が落ちたため、彼らに気を配ってくれる人はいないのかともどかしくなるばかりだ。
chansik@donga.com






