盧大統領の実兄、健平(ゴンピョン)氏の財産疑惑に対する立場を表明した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の記者会見は、釈明と言うよりは訴えに近かった。長くて複雑な財産形成過程に対する幾多の疑惑を短い質疑応答で解消するにはやはり限界があった。とにかく、盧大統領が頼んだように、消耗的な論争で国力が浪費されないように願う心は誰もが同じだ。しかし問題は、見方とアプローチの違いだ。
盧大統領は「とても苛酷だ。大統領と家族も私生活があることを認めてほしい」と言ったが、歴代政権で大統領親戚の不正を数多く見てきた国民は、大統領の家族も徹底した検証と監視を要する「準公人」と考えている。また、盧大統領は不正な違法行為はないと強調したが、国民の最も大きな関心事は道徳性と倫理性だ。そして不正な違法行為については、真相が詳細に解明された後で判断することだ。
盧大統領の訴えが説得力を持つには、まず国民が抱いている疑問を完全に払拭させなければならない。しかし、記者会見を行ったにもかかわらず残された疑問が多い。盧大統領の「長年の同業者であり同志」で、近く法廷に立つ安熙正(アン・ヒジョン)氏が、ナラ総合金融から受け取った政治資金を最終的に使った人は誰なのかもまだ霧の中だ。
また、債務関係で自然に健平氏財産になったという土地は、まともに所有権移転の手続きを踏んだのか、一般的な取り引きとは違って利得を取り交わさない「好意的な取り引き」とは何か、政治家の後援会長は個人の借金まで返済するのか、そうした取り引きや返済は合法的なのか。権力への接近が容易である政治家の経済活動が、はたして一般人の経済活動と同様であるのかなど、いくつかの新しい疑惑も生じた。
盧大統領が記者会見まで行ったところで、これ以上はばかることがあるのだろうか。消耗的論争を早く終わらせるためにも、市民団体の要求のように腐敗防止委員会や検察に客観的な真相調査を依頼するのが正道である。健平氏の財産疑惑の明快な解決は、任期が4年8ヵ月余り残っている盧大統領に毒ではなく薬になるだろう。






