
ヒディンクPSVアイントホーフェン監督(オランダ、57)は相変わらず忙しかった。26日の朝、オランダのアイントホーフェンチームを訪れた記者は、ヒディンク監督が午前のトレーニングを終えてコーチスタッフと会議を行なった後、昼食の時間を過ぎてやっと彼に会うことができた。
彼は依然として韓国と韓国のファンに愛情を持っていた。しかし、残念に思うところも打ち明けた。そして、「今のような韓国サッカーの転換期には、コエリョ監督を信頼することが重要だ」と、後任者に対する配慮も忘れなかった。以下は一問一答。
—もう一年が経った。昨年のワールドカップ(W杯)の時にもっとも感動的だった瞬間は…
「イタリアとのベスト16の前日、韓国政府からメッセージが来た。勝てばオリンピックの金メダリストのように選手の兵役を免除するというのだった。トレーニングが終わってメッセージを伝えたら、選手は抱き合って励まし合った。胸にジーンときた。翌日、彼らは最善を尽くしてトレーニングに励んだ」
—最初からベスト4入りを期待したわけではないと思うが…
「もちろんそうだ。しかし、驚きはしなかった。ワールドカップの直前、韓国選手の変わっていく姿を目にしたからだ。ただ、ポルトガル、イタリア、スペインにまで勝つとは思わなかった。」
—韓国代表チームの監督時にもっとも難しかった点は…
「ワールドカップを控えて私が選んだ険しい道は、一部の反対を招いた。私たちはフランスのような強豪チームと試合を行なった。負けるかもしれないが、負けることも選手にとってはいい経験になると思ったためだ。しかし、一部では『ヒディンク監督がまた負けた』と興奮した。なぜ弱いチームと対戦して選手に自信を与えないのかという人も多かった。しかし、そのような勝利に何の意味があるのか。(そのような勝利は)問題点をごまかすだけだ」
—06年の独ワールドカップの時、韓国チームの監督をするか。
「今、韓国チームのコエリョ監督がうまくやっている。もう1年アイントホーフェンチームに専念したい。04年オリンピック、06年ワールドカップのことを今の時点で話すのはまだ早い。
—オランダの放送に出て、「韓国国民の期待があまりにも高くて、韓国チームを受け持つのが難しい」と言ったそうだが…
「再び、韓国チームの監督を務めることが賢明かという原論的な話をした。独ワールドカップで猛威を振るうヨーロッパのサッカーは、タフで速い。韓国チームはベスト16に進むだけでも大成果だ。私は(放送で)昨年のワールドカップのようなことが再び起こるのは難しい」と話した。
—現在の韓国チームの実力が昨年のワールドカップの時より落ちたという意味か。
「韓国サッカーはいま転換期だ。主要ポジションを担当している選手が、04年オリンピックと06年ワールドカップの時には30才以上になる。 コエリョ監督には新しい選手を発掘して経験を積ませるという重い責任がある。
—コエリョ流のサッカーとヒディンクサッカーは何が違うか。
「コエリョ監督は個人的によく知っている。彼は強豪チームを指導してきた経験豊かな指導者だ。私が彼を推薦した」
—昨年のワールドカップ以降、世界のサッカーの流れはどのように変わったか。
「スピードと力がさらに求められている。より速くなり、タフになったヨーロッパのサッカーで生き残るのはさらに難しい。」
—アイントホーフェンの韓国選手を評価してほしい。李天秀(イ・チョンス)も連れていきたいと言ったが…
「李栄杓(イ・ヨンピョ)は適応期間が必要ないほどすばらしい選手だ。朴智晟(パク・ジソン)は負傷で苦労したが回復した。両選手ともチームへの貢献度が高い。李天秀は李栄杓と同じ条件でスカウトしようと思っている。決定は李天秀の所属チームにかかっている」
—「真空清掃機」の異名をもつ金南一(キム・ナムイル)はなぜオランダで通じなかったのか。
「金南一よりはチームが問題だった。金南一の所属チームのエキセル・シオルは一部リーグだが、2流チームだ。彼が頭角を現しがたいチームだ。決して金南一が失敗したわけではない」
—韓国のどこに行ってみたいか。
「ソウルと済州道(チェジュド)だ」
—あなたは韓国の名誉国民でもある。済州道の田園住宅をプレゼントされたそうだが、行ってみたか。引退後、済州道で余生を送る考えはないか。
「来週引退して済州道で余生を送るつもりだ。(笑う)ワールドカップ以降、済州道にいけなかった。今は済州道に住むつもりはないが、後で変わるかどうかは誰にも分からない」
和やかな雰囲気でインタビューを終えたが、ヒディンク監督が韓国を懐かしんでいることは間違いない。しかし、自分と太極戦士が上げた大成果、そして自分に向けられた韓国国民の視線が負担になっているようだ。突然、彼をこのような負担から解放させる時ではないかという気がした。しかし、開放させるには彼は私たちにあまりにも多くのことを残してくれた。
朴濟均 phark@donga.com






