大統領府がマスコミの提言を受け入れて、10人余りの大統領特別補佐官(特補)の任命をしばらく留保することにしたという。こうした柔軟な姿勢は、最近、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の国政基調の変化の動きとも関係があるように見える。来年の総選挙のためではないかと疑われている無報酬の名誉職である「名刺特補」の量産は、必ずしもマスコミの批判ではないとしても、すでに少なくない問題点を露呈していた。
特補内定者の中には、巨額の政治資金を受け取った疑いが持たれている安熙正(アン・ヒジョン)氏のことを良心囚だと主張する「市民弁護人団」に参加し、一般の常識に逆う人もいる。さらに盧大統領の実兄健平(コンピョン)氏の財産疑惑に名前が取りざたされている人もいる。いかにも与党核心部の意中を代弁したかのように「新党への同行不可5人」の名前を取り上げ民主党内で物議をかもした人もいる。
それだけではない。一部の特補内定者が発表された後、与党の多くの人が大統領選挙への貢献度を全面に出して特補の地位を要求してきたため、大統領府がかなり困っていたようだ。内定段階からこの程度だから、特補任命を強行したら事態はさらに深刻化したはずだ。特補任命の留保は様々な現実的理由も考慮したようだ。
すでに本欄で指摘したように、責任や義務はなく大統領と自由に会える権限だけを持つ名刺特補の任命によって、最も憂慮される弊害は権力型の不正助長と秘密ライン政治の横行、国政システムの混乱などだ。それによる副作用が予想されるにもかかわらず、特補任命を貫こうとすることは大統領府の自害行為だと言える。
したがって、特補任命は当分「戦術的に」留保するのに止めるのではなく、なかったことにした方が良い。大統領府関係者の言うとおり、盧大統領がまだ未練を捨てられずにいるとすれば、参謀たちが積極的に引き止めるのが望ましいサポートだ。適当に世論の機嫌をうかがって、再び特補任命を断行することがあってはならない。
大統領府は今後ともマスコミの適当な提言と批判に心を開いてほしい。それこそ、国政の試行錯誤と間違いを最小限に止め、できるだけ早く改めることができる最善の道だ。






