「今度は本当に退任する。後継者が頼もしい」
アジアの最長寿執権者であるマレーシアのマハティール・モハマド首相(77)が10月末に必ず退任すると、8日明らかにした。
81年に首相になった彼は、同日、国営石油会社ペトロナスのある工場竣工式場で、「10月11〜14日に首都クアラルンプールで開かれる57カ国イスラム諸国会議機構(OIC)首脳会議を終えた後、10月末に退任する」と発表した。
彼は「首脳会議直後に退任したいが、数国から会議後の個別面談の要請があり、10月末に延ばした」と語った。
彼は同日、2カ月間の休暇を終えて初めて公式の席上に姿を現わした。彼は後継者と考えているアブドゥル副首相(63)が3〜4月にイラク戦争やSARS事態などにうまく対応してきたと称えた。
彼は穏やかなスタイルの官僚出身であるアブドゥラ副首相が、来年の総選挙で実権を握るようにする計画。
マハティール首相は、昨年6月に与党統一マレー国民組職(UMNO)の党大会で涙を流して突然辞任を発表したが、党指導部がひきとめてすぐに撤回した。しかし3月の休暇の直前にも「10月辞任」を明らかにするなど、国民に「マハティールのいないマレーシア」を準備するように密かに求めている。
彼が81年に首相になってから、マレーシアがゴム、スズなどの原料輸出国から電気製品や鉄鋼、自動車を生産する「アジアの虎」に生まれ変ったと、英BBCが評価した。マレーシアの中産層をつくり、さらに10億ドルの富豪まで誕生させたという。
彼は政権獲得初期、マレーシアを世界経済に編入させるために努めたが、97年の金融危機を経験してからは、イスラムの価値観をもとに忌憚なく反西欧発言をしてきた。また米国のシリコンバレーに対抗する目標で、IT団地「マルチメディア・スーパー・コリドール」を作ったうえ、世界最高ビルであるペトロナスツインタワーを建てるなど、国民の自負心を高めようと努力した。
しかし99年、当時アンワル副首相を同性愛の疑いで投獄するなど、政敵には容赦ない報復を加えてきたという批判を受けている。また経済発展計画をあまりにも大きく立てて、現在巨額国家債務の原因を作ったという批判もある。
權基太 kkt@donga.com






