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米国のイラク統治は短命に 米教授が分析

Posted April. 28, 2003 22:04,   

米国が主導しているイラク国家の建設(nation-building)を、「米帝国主義による統治」のスタートと見る観点が少なくない。これに対し、ニューヨーク大学経営大学院のニアル・パガスン教授は、「米国という『帝国』は(成立されるとしても)、最も早く歴史から消える帝国になるだろう」と分析した。

パガスン教授は、ニューヨーク・タイムズ・マガジンの最新号(4月27日付)で、英国と米国の帝国主義を比較した。

米帝国が短命に終わらざるを得ない理由は、国際社会の牽制や植民地の反発のような外部的な要因ではなく、米国内部の特性のためであるというのが、同教授の分析である。1920年から約40年間に渡ってイラクを直間接的に「植民地支配」してきた英国に比べると、現在の米国のほうがはるかに強大な経済・軍事力を保有しているにもかかわらず、英国とは違って米国には「バグダッドに向かう人」がいないということだ。

1900年から1914年まで260万人の英国人が植民地に定着した。このように形成された植民地の英国人社会は、現地の統治と本国を結ぶ重要な輪となった。とくに、27年から29年まで、英国に植民統治されていた国家の新規採用公務員927人のうち、ほぼ半数が名門のオックスフォード大学とケンブリッジ大学出身だった。

一方、98年から99年度までに米名門エール大学4万7000人の学部生のうち、中東を含めた東洋関連の学問を主専攻にしていた学生はたったの一人。98年まで12万4798人のエール大学卒業生のうち、5%未満が海外で居住するだけで、わずか70人が中東に出ている。

それに、中東通を自負している米国人も現地定着には関心がない。通信と交通の発達を利用して短期間の旅行で本国を往来するだけだ。皮肉にも技術の発達が現地との断絶をもたらしたのである。

それでは、英国のエリートたちはなぜ植民地での勤務を自ら進んで受け入れたのか?当時、国内で相対的に差別されてきたケルト人のエリートたちがこれを良いチャンスにしたのだと、パガスン教授は説明している。現在、米国人口の12.9%を占める黒人が海外派遣米軍の25.4%を占めているのと同じことである。

さらに、大英帝国では多様な分野の民間エリートたちが海外に進出したが、現在イラクに滞在している米国人のほとんどは軍人である。米国のエリートは、「自由と民主主義」を伝播するという熱情を持ってバグダッド入りするよりは、音楽チャンネルのMTVへの入社や企業の最高責任者(CEO)になることを望んでいると、パガスン教授は指摘している。

同教授はさらに、米国の選挙周期が短いため、「植民政策」の寿命も短くなるしかないという点も、帝国の短命の原因だと付け加えた。



朴惠胤 parkhyey@donga.com