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[社説]国会尊重をあんなに強調したのに

Posted April. 27, 2003 22:15,   

国会情報委員会が高泳耈(コ・ヨング)国情院長に対して「不適切」を提示したことと関連して、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「国会の越権と侮辱」と言及したことは、驚くべきことだ。盧大統領が先月、大統領府で野党ハンナラ党の朴熺太(パク・ヒテ)代表に、「国情院長候補にいい人がいたら推薦してほしい」とまで言ったことは、あいさつ程度だったとはいえ、これまでの相生政治の言及とはあまりにも相反するからだ。

盧大統領は今年に入って「国会中心の国政運営」、「国会尊重、議員尊重」を何回公言したことか。政治に入門して間もない盧大統領を一躍「聴聞会スター」に浮上させた88年の5共聴聞会の時、証人や参考人に対する盧大統領の言行がどれほど激しかったことか。

異なるところはさておき、国情院長の問題だけを見ても、主客が転倒した感じだ。国会が法によって人事聴聞会を実施し、検証結果によって意見を出したことが「越権と侮辱」なのか、さもなければ大統領が国会意見を無視して、そのうえ一部議員らの前歴まで非難して国情院長任命を強行したことが、意地と独善なのか。権力機関長聴聞会の根本趣旨が、権力分立の原則に立脚して大統領の人事権を牽制するという点を考えれば、答えは明らかである。

今回の論争の素地を無くすためにも、国会の意見がより強い政治的拘束力を持つように、聴聞会法を補う必要がある。大統領の国会意見尊重の義務を明記した宣言的規定を新設することも一つの方法だ。

「高泳耈波紋」に当惑と遺憾があったとしても、野党が院内多数党として感情的な対応を自制し、毅然とした姿を見せた場合、国民のより大きな支持を受けることだろう。政治論理で解決しなければならない政治問題を、国家の安危と利害のかかった国政と関連させることは望ましくない。朴代表が院内闘争と補正予算案の処理を関連させないと明らかにしたことは、評価に値する。

盧大統領は、国会が「不可」を明らかにした徐東晩(ソ・ドンマン)尚志(サンジ)大学教授だけは、国情院基調室長の人選から直ちに排除することで、国会と野党に最小限の誠意を示さなければならない。