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イラン、イラクのシーア派政権を工作

Posted April. 24, 2003 22:19,   

イスラム教シーア派が人口の大半を占めているイランが、イラクにシーア派政権が発足するように工作している兆候があり、米国が強く警告した。しかしイランは、地政学的、宗教的要因から、イラクのシーア派政権発足に向けて影響力の拡大を望んでいる。

ホワイトハウスのフライシャー報道官は23日、「イランが情報要員を送り込み、イラク内のシーア派を扇動している。米国はこのような外部干渉を排撃するという意思をイランに伝えた」と明らかにした。

ニューヨーク・タイムズ紙は23日付で、イラン革命守備隊の情報要員の相当数が、イラク国民の60%を占めるシーア派を扇動し、シーア派政権樹立を工作するためにイラク南部に潜入したと報じた。同紙は、米国高官が入手した情報を根拠に、イラン革命守備隊の情報要員が「イラクのイスラム革命最高会議(SCIRI)」の軍事組織である「バドル旅団」組織員らとともに、イラクのカルバラで開かれているシーア派の聖地巡礼の行列に潜入したと伝えた。

SCIRIは、イランに拠点を置くシーア派団体で、バドル旅団の指導者であるアブドル・アジズ・ハキム氏ら最高会議の指導部の相当数は、すでにイラクに帰国して勢力を拡大している。彼らの支援を受けているイラク内のシーア派は親米政権樹立に反対しており、カルバラと南部のあちこちに臨時行政機構の地方委員会を組織し、主要施設に民兵隊を派遣した。

反米イスラム根本主義者らが政権を握るイランは、アフガニスタン、パキスタン、トルコなどの隣国が親米政権であるうえ、イラクにまで親米政権が発足した場合、外交的に孤立する恐れがある。またシーア派の聖地12カ所のうち8カ所がイラク内にあり、宗教的な理由からもイラクにシーア派政権が発足することを望んでいる。

しかし、サウジアラビアやエジプト、イエメンなどのスンニ派政権は、イラクにシーア派政権ができれば、自国内の少数シーア派を刺激すると憂慮している。



權基太 kkt@donga.com