戦場へ向かった米軍らが相次いで戦死したり行方不明となり、沈んでいた米社会が、1日午後(現地時間)イラク軍に捕虜として捕えられていた19歳の女性兵士が生還したことで、活気を取り戻している。
カタールの米中央軍司令部は2日午前3時(日本時間午前9時)、異例の記者会見を開き、迅速に報道資料を配った。およそ10日間にわたる思わしくない戦況で憂うつな雰囲気だった米マスコミは、この出来事を一斉にトップ記事で伝えた。
死地から生き返った兵士は、ウェストバージニア州出身のジェシカ・リンチ。リンチ一等兵が属している米第507補給中隊は先月23日、イラク南部の連合軍補給路であるナシリヤ付近で道に迷っている途中、イラク軍の奇襲攻撃を受けた。作戦に当たっていた部隊員15人のうち2人は戦死し、5人が捕虜として捕えられ尋問を受ける場面がイラク国営テレビの報道で伝えられ、米全域を衝撃のるつぼに陥れた。リンチ一等兵は、生死が確認されていない残りの行方不明者8人のなかの1人だった。
米CNNテレビとワシントンポスト紙などは、「リンチ一等兵救出作戦」が米中央情報局(CIA)の情報支援のもと陸・海軍の特殊部隊であるレンジャーとシール(SEAL)によって電光石火のごとく実行されたと伝えた。
軍事・偵察衛星でイラクの隅々を観察しているCIAは、第507補給中隊の指揮官らが提供したリンチ一等兵の身元情報に基づき、同一等兵がユーフラテス川付近のナシリヤにある「サダム病院」に収容されているとの結論を下した。民兵組織「サダムの獅子ら」の拠点である同病院は、ユーフラテス川北方2km地点にあり、補給路の死守作戦を繰り広げている米第1海兵隊の射程距離に近かった。
海兵隊と特殊部隊が陽動作戦に取り掛かったのは、2日午前0時直前。海兵隊が「いつものように」民兵組織とバート党の地域拠点に戦闘爆撃機、戦車、装甲車を動員して、砲弾を降りそそぎ、その合間を縫って、レンジャーとシールなど特殊部隊がヘリコプターで病院を急襲した。捕虜として捕えられた時に2〜3発の銃傷を負ったリンチ一等兵は、他の米軍捕虜とは隔離し収容されており、特殊部隊が作戦を行うのに容易だったものとされる。
米軍当局は、秘密保持を理由に、リンチ一等兵の正確な居場所や他の米軍捕虜のための救出作戦の内容などを、まだ公表していない。しかし、リンチ一等兵の家族との電話通話は許可しており、同一等兵の故郷であるウェストバージニア州パレスチナ地域は、無事の帰還を願う「黄色いリボン」があちこちに飛び散っている。
入隊から2年が過ぎたリンチ一等兵の海外派遣勤務は、今回が初めて。陸軍に入隊した当時、募兵相談を担当していたジェームス・グレディ下士官は「行方不明と聞いて本当に苦しかった。帰国歓迎のパーティーには必ず出席したい。安心した」と話したと、米ワシントンポスト紙は伝えた。
朴來正 ecopark@donga.com






