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環境が人類を支配する 新刊「環境と文明の世界史」

環境が人類を支配する 新刊「環境と文明の世界史」

Posted March. 14, 2003 22:34,   

「環境と文明の世界史−人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ」/石弘之、安田喜憲、湯浅赳男著/李ハジュン訳/286ページ・9800ウォン/キョンダン

20万年前に姿を現した現代人類の先祖ホモ・サピエンス(新人)がどこから来たかは、まだ人類学のミステリーだ。ホモ・サピエンスの先祖として知られていたオーストラロピテクス(猿人)やネアンデルタール人(旧人)などは、DNA分析法の発達によって、現人類と直接的な関係はないということが明らかになった。

ホモ・サピエンスは、5万年から7万年もの間の寒冷期に急速にヨーロッパとアジアに広がっていき、ベーリング海を渡って米国にまで行った。約3万3000年前に寒冷期を迎え、ネアンデルタール人が絶滅する中でも、ホモ・サピエンスは旧石器文明を花咲かせた。しかし、盛えていたホモ・サピエンスは、1万4000年前、50年の間に地球の平均温度が7〜8度も変わる極端な気候変化の中で、絶滅の危機に瀕するようになる。針葉樹が全部消え去り、生態系がまともに適応できないでいるうちに、人類は急激に減少してしまう。

このように人類は文明の初期段階から環境の支配を受けて来た。地球の気候が長い歳月の間にゆっくりと変わったのではなく、特定の時期に急激に変化したという事実が明らかになるにつれて、「環境」が人類の歴史を牛耳ったという見解、すなわち「環境史」が1980年代に台頭した。

環境史は我々がこれまでに学んだ教科書の理論を覆す多様な説を教えてくれる。

4大文明と言われるエジプト、メソポタミア、インダス、黄河文明が、人類文明の起源だという通説は、環境史的視覚から解釈し直されている。これらの文明以前に揚子江流域には農耕民系列の長江文明、インダス文明の中心地として知られたハラッパのはるか南にはバラタ文明があった。5700年前と4000年前、地球はひどい寒冷乾燥化が進み、遊牧民たちは大規模な移動をしなければならず、揚子江とバラタの古代文明を滅亡させたという仮説が説得力を得ているのだ。

文明が次第に発展するにつれ、自然的な気候の変化より、むしろ人間の自然破壊がもたらした気候または環境の変化が、ブーメランのように人類歴史の流れを変えるようになった。

14世紀にヨーロッパ人口の3分の1を死に至らせたペストの流行がその一つの例だ。13世紀までは気候が温暖だった。それで人間は森林を大規模に破壊して農地を開墾した。しかし、14世紀から寒冷化が始まり、自然に農業生産は激減した。このような寒冷化はさらに森林破壊を加速化させ、森林が消えてペスト菌を移す「大鼠」の生息地域が拡大しペストが流行したということだ。そのために大きな打撃を受けたヨーロッパの中世文明は終末を告げることとなった。

人類は産業革命以来、大規模な環境破壊を犯してきたが、これはいつかブーメランになって人類に戻って来るかも知れない。ひいては人類絶滅の可能性さえ内包しているという点を悟らなければならない。まさにこれが同書の中心主題だ。

この本は石弘之(東京大学院教授・環境学)、安田喜憲(国際日本文化研究センター教授・環境考古学)、湯浅赳男(常盤大教授・比較文明史)という日本人環境学者の鼎談で構成されている。対談形式なので学問的に厳正でない側面があり、日本の地域的視覚もしばしば目につく。だが、対話体で分かりやすく解かれているので、読者の理解度を高めたのは長所だと言える。



徐廷輔 suhchoi@donga.com