死んだ人々は何も言わないが、とんでもない事件で家族を失った遺族たちの慟哭(どうこく)は止んでいない。暗い闇の中で有毒ガスと炎に包まれて死んだ人々を思えば、生き残った家族の方がもっと苦しい。
国家的災難に際し、私たちみんなが悲鳴に去った魂を哀悼し、遺族たちの悲しみを慰める心を持たなければならない。特別災難地域の宣布による補償金を速やかに支給し、遺族を助けることは、他の行政業務に優先して処理しなければならない。大邱(テグ)市民たちの交通の不便を軽減するために、地下鉄が早く運行できるようにしなければならない。遺体を確認することができなかった行方不明者の家族は、もしやという気持ちで、昼には事故対策本部の周辺をうろうろし、夜には寝そびれる。先端科学手段を動員し、痛んだ遺体の身元を確認して、遺族に知らせることが急務だ。
徹底した捜査を通じて事故の原因を解明し、過ちに対する責任を問わなければならないが、それよりさらに重要なことは、今度の事故を反面教師に安全対策を立てて、火災、テロなどの非常時の対処要領を強化することだ。人災から教訓を得ることができない組職は、同じ災難が近付いても避けることができない。
大邱地下鉄火災後、地下鉄の乗客が20%も減少したという。それほど、市民に与える衝撃は大きかった。市民が安心して乗れる安全な地下鉄を作るためには、今すぐなすべきこともあるが、長期的に解決しなければならない課題も多い。
大部分のソウル市内の地下鉄駅は、乗り場と階段が狭くて、ラッシュアワー時の混雑がピークに達する。劣悪な条件で小さな事故でも起これば、大規模な人命被害につながる可能性が高い。長期的に地下鉄の乗り場と通路を広げるとともに、車両の内装材を不燃材に変えることは、どんなに予算がかかっても進めなければならない。地下鉄をテロや偶発的犯行から保護する制度的な計画も立てなければならない。こうした努力はすべて、急いで推進すべき広い意味での大邱火災後の後続措置だ。






