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ギャラリーも息をのんだ「タイガー恐怖症」

ギャラリーも息をのんだ「タイガー恐怖症」

Posted February. 17, 2003 22:41,   

「タイガー恐怖(Tiger Phobia)」が再現した。

毎年約50大会が行われる米男子プロゴルフ(PGA)ツアーは、二種類に分けられる。

その基準は、「ゴルフの王様」タイガー・ウッズ(米)が出場するかどうか。

昨年、ウッズが出場した大会のテレビ視聴率が他の大会より平均2倍以上高かったことは、ウッズの人気がどれだけ高いか物語っている。

米PGAツアーに参加する選手の実力差は紙一重と言われるが、彼らもウッズの前では「トラの前のネズミ」。これは、これまでウッズが、米PGAツアーで最終ラウンドを首位でスタートした29大会で27勝(優勝確率93%)をあげたことからもよく分かる。

17日、世界ゴルフファンの注目を集める中、カリフォルニア州・ラホーラにあるトーレイパイン・ゴルフコース(パー72)を舞台に行われた「ビュイック・インターナショナル」の最終ラウンドも例外ではなかった。

ひざの手術から2ヵ月ぶりに復帰したウッズは、やはり「ゴルフの王様」だった。この日、スコアを4つ伸ばしたウッズ(通算16アンダーの272)は、2位を4打差で引き離して優勝し、健在ぶりを示した。通算35勝。

この日の「タイガー恐怖症」の最大の被害者は、フィル・ミケルソン(米)。ミケルソンは米PGAツアーの最終ラウンドを首位でスタートしたウッズを破った二人のうち一人(2000年ザ・ツアー・チャンピオンシップ)。特に、ミケルソンは同じコースで開かれた2000年、2001年大会で2連勝をあげたため、現地マスコミは今季序盤の最高の名勝負になるだろうと予想した。

しかし、2001年マスターズ・トーナメント以降2年ぶりとなったウッズとの「チャンピオン」をかけた対決はあっけなく終わった。ミケルソンは、ブラッド・ファクソン(米)とともにイーブンパーに止まり、ウッズの「脇役」に回った。

ミケルソンは、大会終了後、「ウッズが怖かった。それは、僕だけのハンディーキャップ

ではない」と語った。一方、ファクソンは「僕の今日の役割は、ウッズとミケルソンの対決の審判だった」と話した。ファクソンは、ウッズにわずか1打差でスタートしたが、最初から優勝への欲は捨てていた。選手たちがどれだけウッズに恐怖を抱いているかがわかる。

もはや関心は、ウッズが欠場している間、米PGAツアー開幕2連勝など、今季5大会で4勝をあげている絶好調の「皇太子」アーニー・エルス(南アフリカ共和国)との一騎打ち。ウッズとエルスは、27日開幕するWGC・アクセンチュアマッチプレーチャンピオンシップで、今季初めて対決する。

エルスも「タイガー恐怖症」の犠牲者のうちの一人。エルスが今の勢いを保って、初めての米PGAツアー賞金王になるか。それとも、ウッズがエルスの勢いを封じ込め、5年連続賞金王になるか。

いつにもまして、この二人の今季初対決に関心が集まっている。



安永植 ysahn@donga.com