鐘と金属活字がフランス革命を起こしたと言えば、首を捻る人が少なくないだろう。しかし事実だ。金属活字の発明によって、支配層の専有物だった本が大量に普及し、知識の大衆化が可能となった。世の中を見る民たちの意識が変わり始め、革命を生み出したのだ。新しい発明が社会変動のモチーフになるという真理は今でも有効だ。代表的な例がインターネットだ。本という発明品は数百年前に階級社会を変化させた。インターネットは逆にこのような本の流通と製作方式を置き換えている。相次いで起こる「変化のマルコフ連鎖」だ。
◆インターネット書店の人気がますます高まっている。最大の魅力は割引販売だ。これに比べて定価制で本を売る町中の本屋は泣き面だ。一時6000カ所もあった書店が今は2000カ所余りに減った。世相の変化による仕方のない結果だが、町中の書店が倒れていくことを見捨てるわけにはいかないという話も出る。地域の文化空間としての役目を無視できないというのだ。本の割引競争が激しくなれば、文化生産者たちが経済的困難に直面するしかないため、文化保護も考えなければならないという意見も根強い。
◆それで取り入れることになった図書の定価制が27日から実施される。定価販売を維持するが、インターネット書店の場合、原則的に10%の割引だけできるように規定している。それさえも、08年以降、この制度は廃止されるので、各書店はしばらく猶予措置を受けたわけだ。窮地に追い込まれた町中の書店は、新しい制度の問題点を掲げて、昨日1日、抗議の意味で店を閉めた。価格競争とインターネット書店の盛況は社会的大勢で、これを人為的に戻すことはできないが、「1日閉業」という背水の陣を敷いた町中の書店の叫びにそっぽを向くのも困る。本屋が影をひそめたら、ちょっと書店に立ち寄って、紙のにおいを感じながら本をめくるという暮らしの余裕も消えるのではないか。
◆小面憎いのはインターネットとオフライン書店の網引きに乗じて、本代を大きくあげた各出版社だ。去年、本価格の上昇率は15.4%もなった。インターネット書店で割引販売されることを考えて、値段を上げたからだ。過渡期に金儲けする人は他にいるというように、読者だけ損している。定価制が施行されれば、引き上げた本の価格は下げなければならない。出版社も本価格が上がれば、消費が減るため、当面の利益に喜ぶ立場ではない。町中の書店も競争時代に生き残るために、打つ手を積極的に講じなければならない。出版産業が「文化の世紀」の戦略分野ということから、多くの当事者は自分の利益に明け暮れるよりは、森全体を眺める知恵を持たなければならないだろう。
洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com






