Go to contents

[オピニオン]想像力

Posted January. 26, 2003 22:25,   

「社会学的想像力(ライト・ミルズ)」、「弁証法的想像力(マーティン・ジェイ)」、「歴史的想像力(ヘイドン・ホワイト)」、「象徴の想像力(ジルベール・デュラン)」「演劇的想像力(ロバート・ジョンソン)」、「解釈学的想像力(ジョージフ・ブレイチャ)」、「新左派的想像力(ジョージ・カチアピカス)」…。このように想像力を題名にした著書が少なくない。それほど想像力は、学問と知識の原動力であり貯水池なのだ。ましてや今日のデジタル時代においては、想像力はそれ以上のもので生存の必須条件なのだ。

◆36年前の67年1月27日、グリシャム、ホワイト、チェピの3人の米国宇宙飛行士は、いつもと同じように訓練に没頭していた。この日、彼らは宇宙船内に密閉された操縦室の座席に、自分たちのベルトを固定させて発射訓練を受けていた。あいにく訓練の途中、宇宙船中で火災が発生した。座席に縛られていた3人の宇宙飛行士は身動きもできず瞬時に火に取り巻かれて命を落とした。この想像もしなかった悲劇は米国社会に大きな衝撃を与えた。マスコミでも、ソ連との競争を過渡に意識した政府と航空宇宙局(NASA)が引き起こした、人災だとして批判の声が高かった。

◆結局、米議会は宇宙船アポロ1号の火災事件の真相を究明するために、聴聞会を開かざるを得なかった。聴聞会の最終段階で火災で亡くなった宇宙飛行士の同僚1人が召喚された。彼は議員の尋問に応じて最後に次のように語った。「議員の指摘のようにNASAがソ連との競争心理に駆り立てられていたことは事実だ。だが、今回の宇宙船の惨事よりももっと根本にある原因は、他でもなく私たちの『制限された貧困な想像力』そのものだった。正直に言って私たちは、宇宙空間での火災を予想して対応策を講じたが、訓練中に火事が起きようとは想像もしなかった」。結局、想像力の限界と貧困が三人の宇宙飛行士の命を奪ったということだ。

◆私たちは想像できるかぎりのことは対応し、また生き残りを図ることができる。想像力がすなわち危機対応力であり、現実の突破力なのだ。過去の時代には持久力で勝負してきた。長く持ちこたえられる人と、組織力に勝算を見出してきた。だが、もはや時代は変わったのだ。想像力で勝負する時代だ。フランス構造主義の哲学者ガストン・バシュラールは想像力を、その社会の「精神的な生産力」そのものだと言った。だとすれば、韓国社会の想像力、なかでも政治的な想像力ははたして何を生産しているのだろうか。政治的な想像力が大いに膨らんだ中、大統領職引き継ぎ委員会が構成されてから今日で1カ月になる。だから、ちょっと以上のような話をしてみたまでだ。

鄭鎭弘(チョン・ジンホン)客員論説委員(韓国芸術総合学校教授) atombit@netian.com