請願警察官の李氏(41)は、「20日午前8時半ごろ、金氏がタクシーで出勤するところを見た。その後、だれかが屋上から飛び降りたという連絡を受けて、現場に駆けつけてみると金氏が頭から血を流して死んでいた」と語った。
▲遺書のあいまいな内容〓金氏はA4用紙1枚に書いた約600文字からなる遺書を、上着のポケットに入れていた。遺書は、家族への罪責感で始まっているが、「この道が全体のための道だと確信した。大義のために先に逝く」との内容が盛り込まれており、自殺が業務や職場と関係があるように感じさせた文章を書き残した。
遺書は、金氏がA4用紙の1枚に直接ペンで書いて作成したもので、文字の大きさや文字列が合わず、走り書きされているものであった。
また、遺書には「若い時ささいな失敗をしたことはあるが、これまで大きな間違いを犯したことはない。もしお父さんに何か問題があったとしても許してくれ。そして、お父さんのことは今後知ろうとはしないでくれ」という内容が書いてあり、自分の死因を調べないよう頼んでいるものであった。
金氏の妻の石(ソク)氏(46)は、「日ごろから主人は仕事を『辞めたい』と漏らすなど、仕事のことでかなり苦労していた。職場で自分の能力を認めてくれないということも言っていた。主人は最近、博物企画団の派遣勤務を終え、3月にソウル・金川(クムチョン)税務署に戻ることになっていたが、それを嫌がっているように思えた」と伝えた。
また、石氏は「主人が自殺する前日の19日午後2時ごろ、家族と昼食を取っている時、どこからかの電話を受けてしばらくぼうっとしていた」とし、「何の内容だったかはわからないが、今回の事件と関係があると思う」と話した。
▲安定した生活、何が問題だったのか〓金氏は99年に7級から6級公務員に昇進した。名門大学に通っている娘(大学2年)と息子(高校3年)があり、2棟のマンションを所有しているなど経済的にも余裕がある。
国税庁の関係者は、「金さんは内向的で悲観的な性格であり、奥さんとも仲が悪いなど個人的な問題が多かった」と主張した。
国税庁側はまた、「18日、休暇を取っていた金さんが出勤したので、その理由をただしたところ、奥さんとけんかしたことがわかった」と述べた。しかし、これに対して金氏の息子さんは「日本へ旅行に行った姉が、18日に帰国すると思った父が休暇を取ったが、母から数日後に帰国することになったということを聞いて休暇を取り消した。家庭的には問題がない」と反発した。
金氏は99年4月、税務士の李氏(66)との間で訴訟になったこともあった。李氏が発行する雑誌で、「金氏が納税者とその家族までを出頭させ、税務調査を行うなど恐喝した」と主張し、李氏を名誉毀損の疑いで告訴していた。
石氏は、「亭主が裁判を進めながら、かなりのストレスを受けてきたのは事実だが、昨年10月の裁判で勝ったため、これが直接の自殺の理由だとは思えない」と語った。
警察は、金氏の周辺の人物を対象に、業務に関する疑惑や家庭問題など自殺の原因を調べるための捜査を行っている。
孫曉林 aryssong@donga.com






