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[社説]与党は政界改編の雰囲気を作るのか

[社説]与党は政界改編の雰囲気を作るのか

Posted January. 12, 2003 22:19,   

次期政権の大統領秘書室長に内定した文喜相(ムン・ヒサン)氏が政界改編について相次いで微妙なコメントを出している。「国民の同意とともにする『いったん分散した後の集合』という形の政界再編はよろしいのではないか」または「自然な政界再編は止められない」などといったコメントから、政界再編についての政府与党の希望と期待感が強く感じられる。政府与党の政界再編構想に不安と懸念を強めている野党を刺激するに十分な話である。

文氏は「人為的な政界再編は、可能でもなく行う意向もない」と前置きにしたが、あまり重みを置いた発言とは思えない。それよりは「来年の総選挙の前に、大きな変化と激浪が予想される」とした同氏の予測に、現実感があるように思われる。現在、文氏の地位から考えるとき、政権側がすでに政界再編に向けた実行計画まで想定しているのではないかという気までする。

与党民主党が自主的に行った世論調査の結果を通じて、大半の国民が政界再編を望んでいるとの見方を発表したのも、動揺している野党内勢力をねらっているような印象を与える。政府与党は、5年前もそうだった。人為的な政界再編を行う可能性については強く否定しながら「小さい与党の苦情」を訴える形で、政界再編の必要性と正当性を絶えず主張していた。内部的には地域連合論と改革連合論が対立していたが、結局、個別に野党議員を迎え入れるという、異常な方法で「議席数を増やすこと」にとどまった。

当時と現在は、政治の構図が似ている。また、文氏は5年前も大統領政務首席秘書官に内定し、政界再編論の真ん中に立っていた。当時、文氏が「獅子は普段、爪を隠して見えないようにしているが、皆にはその恐ろしさが分っている」と話したことを覚えている。与党が野党議員を迎え入れると同時に、検察が「標的を決めたうえでの弾圧」を行っているとの見方が強まり、与野党の関係が急速に悪化していたのも忘れずにいる。

国民の意識が成熟しているだけに、これ以上、力ずくの政界再編はもちろん、世論をテコにした政界再編も許されない。新政権は、世論の変化を過信し失敗した現政権の二の舞を踏むことがあってはならない。本当に政界改造が必要かどうかは、来年行われる総選挙で民意が決めてくれるはずだ。