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善良な彼がサイコに変身する 映画「ストーカー」

善良な彼がサイコに変身する 映画「ストーカー」

Posted December. 02, 2002 22:45,   

映画「ストーカー」は、ロビン・ウィリアムズのギョッとさせるサイコ演技が目を引く作品だ。以前、「今を生きる」のキーティング先生や「ミセス・ダウト」のメイド、「フラバー」の変わった発明家の役柄で見せてくれた持ち味の人情味あふれ面白いキャラクターはまったく姿を消した。キーティング先生になれているファンは混乱を覚えるほどだ。「ストーカー」は、その分、ウィリアムズの演技の貫禄と変身をよく表す映画だ。

ウィリアムズは、今年8月、封切りされた「INSOMNIA」(2002)で連続殺人犯を演じて観客に強烈な印象を残した。「ストーカー」は、2001年に制作された映画で、ウィリアムズの演技変身を初めて披露した映画だ。彼は、「ストーカー」以降、「スムーチ」を経て、「INSOMNIA」(韓国未公開)に出演し、悪役のイメージを固めている。

「ストーカー」は、人間の執着を描いている。サイ・フェリシ(ロビン・ウィリアムズ扮)は、大型ディスカウントストアの写真現象コーナーの従業員で、ほかの人の写真を通じて、彼らの生き方を監察することを楽しみにしている。家族のいないフェリシは、長い間、写真を通じて見てきたヨーキン家族の幸せな暮らしに病的に執着し、挙句のはてに、自分がヨーキン家族の一員であるというもう想に取り付かれるようになる。

偶然をよそおって、ヨーキン家族に接近したフェリシは、ヨーキンが夫人をだまして浮気をしている事実を知って興奮する。フェリシは自らこの問題を解決するために、刃物を持って、不倫の現場を襲う。

「ストーカー」のもっとも大きな魅力は、サイコの複合的な2つの顔を表現するウィリアムズの演技。彼は、温厚な微笑みを浮かび続けながらも、予想外の瞬間にサイコに急変する。「ストーカー」は昨年、米国で封切りされた際、マスコミから「ロビン・ウィリアムズの最高の映画」、「鳥肌が立つほどぎょっとさせられるロビン・ウィリアムズの演技」などと賞賛された。

この映画は単なるスリラーではない。フェリシは、観客に嫌悪感とともに同情心を呼び起こすためだ。観客をビックリさせる「一発」がないというのが「玉にきず」だが、登場人物の内面に踏み込んだ心理描写が卓越している。マドンナ、マイケルジャクソンなど、世界的歌手のミュージックビデオを手がけたマークローマネック監督のデビュー作。豊かなカラーを通じて、洗練された映像美で作り上げた。原題「One Hour Photo」、15歳以上観覧可、6日封切り。



金秀卿 skkim@donga.com