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[オピニオン]超音速飛行機

Posted October. 31, 2002 23:28,   

いままで人間が作った最も速い飛行機は米国の情報収集機SR71(別名「ブラックバード」)だ。1974年に試験飛行に成功し、冷戦時代に旧ソ連など敵国の上空を縫うように飛び抜けたブラックバードの速度はマッハ3以上だ。毎秒340mで音速の3倍を超える文字通り鉄砲玉より速い速度だ。鉄砲玉は銃口から発射された時の速度が毎秒900〜1000mだが、飛んで行く途中の速度は空気抵抗で毎秒400m程度だという。開発当時、ブラックバードは先端技術の総集合のような存在だった。恐るべき速度から発生する高熱に耐えられるようにするため、機体の90%以上がチタニウム材料でできている。

◆超音速飛行機を開発する技術と、一般の亜音速(サブソニック、音速に達しない速度)飛行機を製作する技術とでは雲泥の差があると言われる。まず、飛行機の外観を決定する原理から違う。亜音速飛行機が胴体と翼を別々に製作してつなぎ合わせる作り方であるのに対して、超音速飛行機は設計段階から機体全部をひとかたまりに見て取り組まなければならない。100万個以上の部品が一寸の誤差もなくかみ合わなければならないのはもちろんだ。このようにして開発された610種類におよぶ超音速飛行機製作の核心技術は、他の産業の技術開発に刺激を与え、多大な波及効果をもたらした。例えばチタニウム素材の加工技術は人工関節など医学の発展を導いた。

◆われわれも、近い将来、超音速飛行機が作れる国に仲間入りできる見通しだ。8月初めに試験飛行に成功したT50(別名「ゴールデン・イーグル」)が、試験飛行の強度を漸次高めながら年内に音速突破が期待されているからだ。T50の目標速度はマッハ1.4、時速では1700kmだ。これが成功すれば、韓国は、世界で12番目に固有モデルの超音速飛行機を生産した国になるという。さらに海外販売が実現すれば、国際競争力をそろえた5大超音速航空機生産国に入ることになると、韓国航空宇宙産業(KAI)の張聖燮(チャン・ソンソプ)開発センター長は自慢している。

◆T50の成功が国を挙げて祝うべきかい歌であるにもかかわらず、社会から注目されていないことについて、開発にかかわった技術陣は寂しい気持ちを隠さない。連日絶えることのない大げさなニュースと騒々しい大統領選挙戦に取られた国民の耳目が、こういう科学技術界の消息に回されるほどの余裕がなかったためだろう。しかし、このように社会のどこかで汗を流して研究に没頭する人々がいて、それがわれわれの未来を率いる大切な力になるのだと信じる。われわれの手で作った航空機が音速を突破する日、無関心の壁も破られることを期待する。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com