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[オピニオン]緑を守る都市作りをしよう

Posted October. 23, 2002 22:48,   

数日前、京畿道(キョンギド)がソウル近隣の6地域で大規模な新都市の開発計画を推進すると発表した。この計画は、首都圏の乱開発を招いた中小規模の宅地開発に対する対案として検討されているようだ。これら6地域の大半が開発制限区域であったり、非都市地域であるため、建設交通部や関係機関との合意がなければ、開発を進めることはできない。

これがずさんに行われれば、まずは自然がむしばまれ、第二に首都圏の過密化を招き、交通過密と環境汚染など都市のアノミー現象が進むだろう。

京畿道の言い分は、首都圏に新都市を開発したほうが環境破壊が少なく、公園の緑地確保が有利だからというものだ。だが、環境破壊や公園緑地確保は開発規模によって左右されるというよりは、土地利用や緑地計画などによる問題との関連性がもっと大きい。

未来の暮らしやすい環境を作るためには、自然と緑地公園を都市構造の基本とするかどうかの問題なのだ。これまで韓国の都市計画は建物と道路を作ってから木を植えて緑を作ることだった。だが、これからは木と森をそのままにして、都市を作っていかなければならない。

西欧のユートピアがほぼ想像上の島であったり、隔離された楽園を意味していたとすれば、東洋では想像の世界を具体的な場所として語り継がれてきたという点で違いがある。なかでも韓国の理想郷は、「暮らしやすい」ところを意味している。私が住んでいるところと住みたいところが一致しているかどうか。大半の人々はこの二つは違う。その格差が少なければ少ないほど人々は満足する。今日では、満足感の源泉は経済的、社会的なものだが、次第に環境が占める割合が大きくなってきた。

だが、首都圏では交通、住宅、工場など経済、社会的な面を強調したあまり、公園緑地が数の面で少なく、生活の質の面でも立ち後れている。

最近建設中の道路は、その景観よりは交通中心の物理的なアプローチで「錦繍江山」を破壊している。

21世紀はその場所が持つ価値が重要な時代だ。これまでは人間が資源を使い、環境を支配するという立場で、経済成長と社会発展を試みてきた。だが、今後はこの地の生命を重視し、その場所が保有する文化を維持していくことがさらに大切なことになる。たとえば、固有の自然を守ってきた韓国のソウルが世界でも指折りの異境地となり、それがソウルの競争力になるのだ。

あちこちに三々五々とかたまっている村やその村の向こうに見える裏山、野原と小川、どこまでも重ねに重ねて見える山々、これが韓国固有の自然だ。ソウルを取り囲んでいる京畿道の自然の特徴は農村と都市が調和をなすことができるということだ。

首都圏こそ田園都市化が可能だ。そこに韓国の伝統と文化をもとにした景観を作りだすことができれば、未来の理想郷になるのではないだろうか。新都市は市民が常に快適に休める緑の憩いの場所が造られて、家のすぐ隣には緑の森ときれいな小川が流れリスやウサギや鳥などが一緒に休める空間であることを願う。