国家機関によって、長らく隠ぺいわい曲されていた「スージー金(実名、金玉分)氏殺害事件」の主犯である「パス21」の設立者、尹泰植(ユン・テシク、44)被告に、犯行から15年ぶりに、懲役18年の刑が言い渡された。
ソウル地方裁判所・刑事合議第23部(金庸憲部長検事)は10日、妻を香港で殺害した後朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が拉致を図ったが未遂にとどまった事件に見せかけた容疑(殺人など)で起訴された尹被告に対し、殺人容疑で懲役15年、詐欺など残りの容疑に対しては懲役3年を言い渡した。判決によると「被告は言争いの途中、金氏が倒れて亡くなったと主張しているが、専門家らが鑑識を行ったところ、金氏が『ひもによる窒息死』で亡くなったことと判定された点などから考えて、被告が金氏を殺害したことが認定される」とした。
そして被告が妻を殺害したにもかかわらず、犯行を隠ぺいするために、北朝鮮の工作員という汚名をつけ、その家族らにまでスパイ家族という苦痛を与えたことを考える時、重刑を言い渡すのが当然だと付け加えた。
この事件は尹被告が87年1月初め、香港で夫人を殺害したあと、シンガポールの北朝鮮大使館に、北朝鮮への亡命を要請したが拒絶され、韓国に帰国した後「スパイだった妻のスージー金とシンガポールの北朝鮮大使館によって、北朝鮮に拉致されるところだったが脱出した」と話していた。
当時、国家安全企画部(安企部、国家情報院の前身)は尹被告を追及した末、尹被告がスージー金を殺害した後繰り広げた「拉致未遂」の自作劇であることが判明したが、以前の誤った発表があったため、真相を隠ぺいした。
永遠に埋められてしまうところだった「スージー金殺人事件」は、2000年、週刊東亜(トンア)の「87年の北朝鮮への拉致未遂事件をご存知ですか」という記事を通じて、捜査当局と世間の注目を受け始め、尹被告は、昨年11月、公訴時效を50日後に控えて、身柄を拘束、起訴され、殺人容疑は無期懲役、詐欺など残りの容疑に対しては懲役6年が求刑されていた。
この日、傍聴席に座っていた金氏の遺族らは、判決が下された後「尹被告は、ひとりだけを殺したのではなく、私たち家族全員まで殺したのも同然だ、これは、正義でも法でもない」と泣き叫んで、刑が軽すぎると強い不満を示した。
吉鎭均 leon@donga.com






