大衆交通手段や地下道で、障害者が楽器を演奏したり、苦しい状態を文に託して物乞いをする姿を頻繁に目撃する。世知辛い世の中になったとはいえ、障害者が持ってまわるかごに小銭を入れる人も少なくない。いつのことかだったか、座席バスに乗っていた時、手足が不自由な青年が物乞いしていた。そして偶然その青年が同じ停留所で降りた。青年は、バスから降りて周囲をきょろきょろ見回すや、健常者のようにさっさと歩いて行ってしまった。このようなにせ者のために、本当に助けを必要とする障害者が疑いを受けたり、助けたいと思う人も障害者に手を差し伸べることをはばかるようになるのだ。
◆官公署や企業、高速道路の休憩所などの駐車場には、出入口から一番近い所に障害者専用のパーキングエリアが設けられている。健常者が障害者専用のパーキングエリアに駐車した場合、過怠料10万ウォンが課されるが、全国で3年間取り締まった実績は、たかだか3700件だった。新聞の読者投稿欄に障害者パーキングエリアを利用する健常ドライバーに対する告発がたびたび載るのを考えると、取り締りの確率が極めて低いようだ。忙しい人は、どうせ空いているからちょっと止めて用事を済ませるだけだと軽く考えるだろうが、まさにその時に歩行が不自由な人がいた場合、大変な不便を味わうことになる。
◆韓国は障害者のための施設や福祉が、まだ後進国レベルである。競争と効率が重視される開発を経る間、弱者への配慮が足りなかったためである。障害者団体が19の大学を対象に調査したところ、傾斜路など障害者施設を完備した建物の割合が平均32.4%に過ぎなかった。ある女子大生は車椅子が入れない講義室が多くて学習権が侵害されたとして、学校に対し訴訟を起こした。障害者が地下鉄のリフトから落ちて死亡する後進国型事故も後を絶たない。
◆幸い近年になって障害者福祉が改善され、3級以上の重症障害者は、生計補助手当て、教育費支援、自動車税と高速道路通行料の減免など、約40種類の恩恵を受けている。このように障害者福祉が拡大するや、その恩恵を横取りしようとするにせ障害者が今回なんと5000人あまりも摘発された。この中には、自動車に関する恩恵をねらったにせ障害者が最も多かった。不正で発給されたり偽造した障害者表示を車につけて、価格の安いガソリンを入れ、通行料を免除され、障害者専用のパーキングエリアに駐車するにせ障害者の良心マヒは哀れなことである。
黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com






