韓火(ハンファ)グループによる大韓(テハン)生命(大生)の買収は、公的資金管理委員会(公資委)で2度にわたって決定が保留された後、票決により5対3で可決されたほど論争を呼ぶ事案である。公的資金を3兆5000億ウォンも投入して悪性負債を取り除き、黒字を出す超大型保険会社が、政権末期に特定財閥グループにわたることに対し、業界でも疑惑の視線がなくはなかった。資産約10兆ウォンの韓火が資産26兆ウォンの大生を買収したことは、小魚が大魚を飲み込むようなものだ。
野党ハンナラ党の鄭亨根(チョン・ヒョングン)議員が、韓火の大韓生命買収に政権の実力者が介入したと暴露したことは、どこまでが真実なのか今のところ判断し難い。鄭議員は、韓火グループの金昇淵(キム・スンヨン)会長と系列会社社長、大統領府秘書官、与党民主党議員との通話記録という資料を根拠に、民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領候補、韓和甲(ハン・ファガプ)代表、朴智元(パク・チウォン)大統領秘書室長ら実力者の介入疑惑を実名で取り上げた。
むろん政府は、買収を希望する国内外の企業がなく、売却主幹社のメリルリンチが評価した企業価値の範囲内で最も高い価格で売却したという点をあげ、正当性を主張している。しかし、公資委の最終票決で賛成票を投じた委員5人は、関連省庁の次官であったり、政府に近い人物であった。また、このような大規模な企業取り引きを実務レベルで決定することが難しいという点でも、政府権力層の関与があったという推論は可能である。
ハンナラ党の鄭議員の暴露が誤っている場合もあり得るが、今回の主張はこれまでの状況に照らしても、全く根拠のないことでもなさそうだ。鄭議員の言葉どおり、韓火が大生を買収する過程で権力実勢が介入して不法ロビーが行なわれたなら、見過ごすわけにはいかない。
真相を究明するためには、まず鄭議員が国政監査の場で提示した資料の真実が立証されなければならない。もし、情報機関が今もこのような盗聴資料を作っているのなら、それは政府が重大な犯罪を犯しているということを露呈することでもある。






