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[社説]政府は「謝罪が不十分」となぜ言えないか

[社説]政府は「謝罪が不十分」となぜ言えないか

Posted July. 30, 2002 23:28,   

政府が昨日北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に送った電話通知文は、実に理解に苦しむ。政府は西海(ソヘ)砲撃戦に対し「遺憾を表明して、再発防止に向けて努力するという立場を明らかにしたことに留意する」と言及した。政府みずから「北朝鮮の計画的挑発」と規定した西海砲撃戦をこのように片付けては、開いた口がふさがらない。

北朝鮮は、先週の電通文で、西海砲撃戦は偶発的に発生したとし、南北双方が再発防止に向けて努めなければならないと主張した。韓国側が返信で、この部分に対して全く異議を唱えなかったのは、北朝鮮の不十分な遺憾表明だけではなく、責任を転嫁しようとする試みまで受け入れたことになる。

政府は「武力衝突のような不祥事が再び起らないよう、必要なすべての措置を取る」ことを北朝鮮側に促しはしたものの、責任者処罰はいつの間にか消えてしまった。会談を開いて、不十分な部分は修正を求めるのが望ましいという統一部の説明はあるものの、公式文書とも言える電通文で言及しなかった問題を、非公開会談で明らかにするとしても、国民がその言葉を信じるだろうか。

政府の返信は、金大中(キム・デジュン)大統領が必ず貫くと約束した「明白な謝罪、責任者処罰、再発防止への約束」に及ばないのはもとより、国民大多数の世論にも反するものだ。政府は、何を焦って、北朝鮮の電通文を歓迎するかのような返信を送ったのだろうか。金大統領が、任期内に目に見える成果を得るために、後先省みずに急いだのではなかろうか。

早くも政府内では、閣僚級会談がうまくいけば、北朝鮮に30万トンの食糧を提供することができるという声が出ている。北朝鮮が、米を受けとる条件として、多少の責任を認めるかもしれない。しかし、食糧支援は北の同胞に対して人道的レベルで推進されなければならない別途の事案であり、挑発事件の解決の取り引きの具となってはならない。閣僚級会談が達成されても、西海砲撃戦をうやむやにする口実になっては、韓半島和平のためには、悪例になるだけだ。