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ソウル大新総長発言が波紋「入学選抜に地域クォータ制導入」

ソウル大新総長発言が波紋「入学選抜に地域クォータ制導入」

Posted July. 24, 2002 23:15,   

ソウル大学総長に就任した鄭雲燦(チョン・ウンチャン)は、23日、MBCニュースデスクとのインタビューで、新入生の選抜に人口比例による地域別割り当て制を取り入れる考えに言及したことをめぐって論議が巻き起こっている。

教育人的資源部は、ソウル大学に対し経緯の把握に乗り出すなど、敏感な反応を示しており、ソウル大学は波紋が広がるのを恐れて24日「鄭総長の個人的な考えであって、時限を決めて検討している事項ではない」と釈明した。

▲発言内容の釈明〓鄭総長は入学選抜基準の多様化に触れ、「例えば、新入生5000人のうち、2000人に対して1000人は大学修学能力試験(日本のセンター試験)、残りの1000人は高校での成績だけで選ぶなど、多様性を目指すため公平性に反しない」とし、「貧しい人も修学能力試験の成績が良かったり、高校での成績が優れていれば、ソウル大学に進むことができるし、階層の移動も果たせる」と述べた。

鄭総長はまた「個人的な考えでは忠清道(チュンチョンド)、江原道(カンウォンド)、全羅道(チョンラド)の受験生に対し人口比例でクォーターを与える方式があると思う」とし、「2005年度から(ソウル大学の新入生選抜方式が)相当変わる可能性がある」と付け加えた。

ソウル大学は24日、「悪い教育環境で勉強しながらも、潜在力があって真面目に勉強してきた生徒たちに均等にチャンスを与えたいという意味であり、時限を設けて検討している事項ではない」と釈明した。

▲教育部の反応〓教育部関係者は「就任するやいなや、どうして敏感な内容を急に取り出したのか納得が行かない」と不満を隠せなかった。

大学支援局の担当者は「教育関連法に地域クォータ制を認めるかどうかに対する規定はない」とし、「地方大学が求めている地域別人材割当て制の導入が違憲の余地があることから採用できないことと似ている。クォータ制による選抜は、単に低所得層への優遇とはレベルが違う。地方の高校が得をする反面、首都圏の高校は不利な立場に追い込まれるため、社会的な議論を巻き起こしかねない」と述べた。

教育部のほかの関係者も「入試制度の変更は単科大学で構成されている入学考試管理委員会の審議と学長会議を経て確定される。代表的な国立大学のソウル大学で鄭総長の構想が実現するのは難しい」と実現の可能性について否定的な反応を見せた。

▲教育系の反応〓(鄭総長の)発言内容の趣旨ついてはおおむね理解を示すものの、発言のやり方などに対しては異議を申し立てた。

延世(ヨンセ)大学の金河秀(キム・ハス)入学処長は「地域クォータ制による選抜は、教育的には意味があるが、選抜の基準を人口比例、地域の高校数、出身地、居住地の概念にするのは行政的、技術的には難点が多い」と述べた。

全国教職員労働組合の李京喜(イ・ギョンヒ)スポークスマンは、「首都圏や富裕層の子どもがソウル大学に大勢入学していることを受け、選考方法の多様化を進めるという趣旨として受け止められる。しかし、入試制度は敏感な事案であるにもかかわらず、十分議論しなかったのが誤解を呼んだようだ」と指摘した。

韓国教員団体総連合会の黄ソク根(ファン・ソクグン)スポークスマンは「地域クォータ制がまたもや他の人材の機会をはく奪しかねないうえ、地域差別的な性格も帯びている」と述べた。



inchul@donga.com