
全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モーターズの趙允煥(チョ・ユンファン)監督は、最近、チームの看板スター金度勲(キム・ドフン)を2軍に降ろし、サッカー界をびっくりさせた。金度勲は、若干の負傷を抱えていたものの、「自分でなければならない」という自惚れにムチを取り出したのだ。
趙監督は、「せっかく競技場に雲のように観衆が押し寄せているのに、プロ選手たちが不誠実なプレーをしていては、観衆を侮辱する行為になる」とし、金度勲の2軍行きを指示した背景を説明した。今後も、ファンたちに不誠実なプレーを見せる場合、誰であろうといつでも第2、第3の金度勲の処分を受けることになるという。
韓国プロサッカー、Kリーグが変貌しつつある。強力はプレスと迫力溢れるプレーで毎試合でスタンドを埋め尽くしたサッカーファンを楽しませている。フース・ヒディンク前代表監督が「ワーキングゲーム(Walking game)」と酷評したかつてのプロサッカーは、いつの間にか姿を消した。Kリーグが、このように大変身を遂げることができた原動力は、2002韓日W杯以後、毎試合10万人を上回る観衆の熱気にある。
釜山(プサン)アイコンズの金鎬坤(キム・ホゴン)監督は、「観衆の雷のような歓声を聞きながら、指導者や選手たちも意欲に満ちている。選手たちも雰囲気に乗って、自分の技量以上を出しており、攻撃的で面白い試合が続出している」と話した。金監督は、また選手と指導者たちの間で、「これを機に韓国サッカーを復興させよう」という共感が形成されていると伝えた。
観衆の熱気は、そのままKリーグのホーム試合の勝率を垂直上昇させている。まだ、チーム当たり2、3試合をこなしたに過ぎないが、8チームがホームで甘い勝利を味わった。昨年、大半のチームがホーム勝率50%前後を収めていたのと比較すれば、大きな変化だ。
ホームで1勝1分けの趙監督は、「正直に言って、W杯以前はホームアドバンテージというものを感じることがなかったし、アウェー試合でも別段負担を感じなかった。しかし、このころはアウェーで3万人余りのホーム観衆の一方的な歓声にいじけて、自分のプレーができないくらいだ」と打ち明けた。
毎試合ごとに強力なプレスかけるサッカーも、W杯効果のひとつ。世界最高レベルのサッカー祭典をお茶の間で見届けた国内のサッカー界が、世界サッカーの流れにいち早く足並みを揃えているという見方だ。チーム戦術も、過去にはチームの間であまり違いが見られなかったが、今季のKリーグでは、各チームが、それぞれ独特の変形戦術を練っているため、観戦の楽しみを増している。
国内プロサッカーは、98年のフランスW杯直後もルネッサンスを迎えている。しかし、当時は、新世代スターを軸にした「追っかけ部隊」によるバブルだったという分析が説得力を得ている。
「今回は違うみたいだ」というのか、国内指導者たちの共通した見解だ。ファンとの一体感のなかで、W杯スター、ベテランスター、新世代スター、外国人選手たちが技量を激しく競り合いながらサッカーのレベルを高めているという見方だ。かれこれと、この夏のプロリーグは、いつになく熱く燃え上がりそうだ。
鞖克仁 bae2150@donga.com






