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[社説]西海砲撃戦の調査は我田引水

Posted July. 08, 2002 00:50,   

昨日発表された韓国西海(ソヘ)の砲撃戦の調査結果は、軍指揮部の責任回避的な説明で一貫し、がっかりさせられた。韓国側の死傷者が24人も発生したにもかかわらず「確固たる戦闘意志と迅速な対応で、北方限界線(NLL)を死守した作戦」と自画自賛したうえ、確認もされていない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)側の被害状況を「死傷者30人以上」と強調するなど、我田引水があまりにもひどいという印象を受けた。このような発表は、国防責任者への国民の不信感を増大させるだけだ。

まず、今回の発表には、軍指揮部の誤った情報判断への反省がない。6月29日以前にも、北朝鮮側の警備艇が2日間連続してNLLを侵犯するなど、十分な「予告」があったにもかかわらず、軍指揮部は、例の受け身の交戦守則だけを強調していた。これが、果たして軍指揮部の無能力のせいか、それとも軍人として適切でない「政治的考慮」のせいかは分かりかねるが、いずれにしろ正しいこととは言えない。

国防部は「状況判断に混乱があった」と認めながらも、対応措置は総じて正当だったと強弁した。しかし、最初の被害報告で「死者5人」を「死傷者5人」と誤って認識したという弁解は説得力がない。「死者5人」なら戦争に拡大してもよく、「死傷者5人」なら韓国側の被害が少ないので、その程度で砲撃戦を終えなければならないという論理は、国民を愚ろうする言葉遊びに過ぎない。

国民は、韓半島での戦争勃発に反対してきた。そして、今回の事態が戦争に拡大しなかったことを幸いと思っている。戦争を避ける最も緊要な前提は、軍が安保に忠実で、戦争の抑止力を育てるということだ。そのような点で、西海砲撃戦当時の状況を細密に検討し、改善された対応策を提示しなければならなかった今回の調査は、失敗作とみるしかない。

調査結果は、政府が今後、対北政策の方向を決めるうえで、基礎資料になるという点でも意味が大きい。このような調査で、果たして政策方向が十分に設定されるか心もとない。