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米国を襲う「ダーティーボム」の恐怖

Posted June. 11, 2002 22:48,   

米国政府が10日「ダーティーボム(dirty bomb)」を使ったテロ容疑者(写真)を摘発したと発表したことで、ダーティーボムの破壊力ないし破壊規模、アルカイダなどのテロ組織が製造原料の放射能物質をすでに入手しているかの可否、などに関心が集まっている。また、米国政府のこのような発表の背景に、政治的な考慮はなかったのかについて、議論が持ち上がっている。

▲ダーティーボムが与える衝撃〓専門家らは、ダーティーボムによるテロの脅威は、爆弾そのものによる人命の被害よりは、社会の混乱とそれに伴う経済的損失が、さらに大きな懸念材料だと指摘した。

ニューヨークタイムズは11日、通常兵器に放射性物質を搭載して爆発させるダーティーボムによってテロリストが狙っているのは、人々に恐怖心を植え付けることだと、テキサスA&M大学核工学科のジョン・フォストン・シニア教授の言葉を引用して報じた。

新聞はさらに、国際戦略研究センターのフィリップ・アンダーソン博士は、ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館の前で、人工放射性同位元素のセシウム1.5ポンド(680グラム)の入ったTNT爆弾4000ポンド(1812キログラム)が爆発する場合、数万人が居住する住宅と職場が1年を通して自然および人工的に浴びる量より、僅かに25%程度が追加汚染されるだけにもかかわらず、住民たちはここから逃れようとするだろうと指摘したと報じた。

CNN放送は10日「ダーティーボムが爆発する際、風の状態と避難速度などによって、通常型爆弾より死傷者の発生が抑えられる可能性もあるが、放射性物質がもたらす恐怖と恐ろしさのために、都市が麻痺して経済がダメージを受けるはず」だと伝えた。

▲アルカイダの入手可能性〓ダーティーボムは、爆弾と放射性物質物質さえあれば造れるもので、特別な製造技術を必要としない。核兵器に用いられるプルトニウム、ウランなどを手に入れるのは難しいが、抗がん剤用またはアスファルトの厚み測定用など、医療および産業用に用いられる放射性物質は、入手が遥かに容易である。

ニューヨークタイムズは11日「米国全域に渡って、放射性物質のあるところが200万ヵ所にのぼっており、2万1000人が取扱い免許を持っている」としながら「放射性物質の紛失または盗難事故は、昨年10月から今年3月までの6ヵ月間で107件に及ぶなど、最近は年間平均375件にのぼっている」と伝えた。

ワシントンポストが3月報じたところによると、米国当局は、オサマ・ビンラデンが率いるテロ組織のアルカイダが、ダーティーボムを製造できる人工放射性同位元素の、ストロンチウム90とセシウム137を、すでに入手しているものとして捉えていると伝えた。

同新聞は11日、米国の情報消息筋の話を引用して「ビンラデンの放射性物質倉庫は、南部および中央アジア地域にあるとみられ、米軍がアフガニスタンでは見つけられなかった」と報じ「かつては、テロリストが放射性物質の密輸を図っていたが、最近は購入するか盗む計画を立てている」と伝えた。

▲米国の発表の背景〓米国法務省が「ダーティーボムによるテロ計画摘発」を緊急発表したことについて、ホワイトハウスのアリー・フライシャースポークスマンは「発表の時点において、政治的考慮など全くなかった」と述べた。

しかし、ニューヨークタイムズは11日「テロに備えることも重要だが、ついに「核によるテロ」の脅威を語り始めてから、警告板の針が反れてしまった」と指摘しながら、ブッシュ政権のテロ対応に対する議会の調査か、ブッシュ大統領による国土安保部新設方針などと関連があるはずだと指摘した。



konihong@donga.com