検察が、金大中(キム・デジュン)大統領の次男、弘業(ホンオプ)氏に対する捜査と司法処理をサッカー・ワールドカップ(W杯)以降に持ちこすことは、国際行事を口実に捜査をうやむやにするのではと疑われるに十分である。
W杯と大統領の息子の不正疑惑への捜査は別物である。弘業氏に対する捜査を続けたからといって、W杯の熱気が冷めたり、試合の進行に混乱が生じるわけでもない。検察が浮ついたお祭りムードに乗じて、不正疑惑に包まれた大統領の息子を見逃そうとするなら、世論は納得しないだろう。
金大統領の三男、弘傑(ホンゴル)容疑者の捜査は、周辺人物らの供述によって具体的な状況が明るみになり、捜査がじん速に進んだ。しかし弘業氏の捜査は、特検から事件を引き継いで2カ月が経ったにもかかわらず、マネー・ロンダリングの規模が明らかになっただけで、資金の性格は依然霧に包まれている。
大統領府と検察の一角では、大統領の息子が2人も逮捕されていいものかと、温情論的な見方も存在するという。2人の息子が刑事罰を受けるという事態は、もちろん残念なことだ。だからといって、相手によって法治の原則が揺らいではいけない。弘業氏が法に背いて不正に得た財産があるならば、法の罰を受けるのが当然であり、現職大統領の息子でもそれは例外ではない。
アジア太平洋平和財団の李守東(イ・スドン)前常任理事に捜査機密を漏らした疑いを受けている金大雄(キム・デウン)光州(クァンジュ)高等検察長も、検察の取り調べを1度受けただけで何の進展もない。召喚が延期された沈完求(シム・ウァング)蔚山市長は、W杯の試合を行なう地方自治体の首長という大義名分もあるが、金検察長は、明らかな理由もなく捜査が一日また一日と先延ばしにされ、検察が「身内」をかばっているのではないかと疑念される。検察が揺れ動いている印象を与えるのは、望ましくない。
W杯を前に性急に捜査を終わらせて、せっ速に処理することも問題であるが、国民の関心が注がれている事件の捜査が、W杯の後に持ちこされることも説得力に欠けるだろう。






