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鉄鋼「世界大戦」になるか

Posted May. 23, 2002 11:04,   

米国と欧州連合(EU)に次いで、中国が輸入鉄鋼製品に対する緊急輸入制限措置(セーフカード)を発動し、「世界鉄鋼戦争」が急速に広がっている。

韓国政府と鉄鋼業界は、中国のセーフカード発動による影響が今すぐは大きくないとみているが、鉄鋼保護貿易主義がさらに広がると鉄鋼の輸出に大きな打撃を与えることを懸念している。

22日、政府当局と鉄鋼業界によると、中国は24日から6ヵ月間、外国製鉄鋼製品に対して9つの品目別に8〜26%の高い関税を課すこととし、これを公式発表する予定だ。

これに先立って米国は、3月20日から輸入鉄鋼製品14品目に対して、最高30%の関税を課するセーフカードを発動しており、これに対抗してEUも先月3日似たような輸入制限措置を取った。

マレーシア、タイなど東南アジア諸国と日本、カナダなどもセーフカードの発動を検討している。

韓国政府と鉄鋼業界は、まず中国政府の公式発表が出ないとわからないが、中国のセーフカードの発動による直接の影響は大きくないとみている。

中国に対する輸出数量の80%を占める板材類は、中国企業が輸出用原材料として多く使っているうえ、中国国内での供給量が十分ではないため、韓国からの輸出量が激減することはないと分析されている。

三星(サムスン)証券のキム・キョンジュンアナリストは、「韓国の中国に対する輸出は10%ほど減る見込みで、韓国メーカーは2億ドルほどの関税負担を追加で負うとみられる」としながらも、この措置で中国内の鉄鋼価格の値上がりが予想されており、国内メーカーの収益性には大きな影響がないと説明する。

韓国は昨年、中国に381万トン(17億2000万ドル相当)の鉄鋼製品を輸出した。

鉄鋼業界は中国の措置よりは、鉄鋼保護貿易主義の拡大傾向にもっと大きな懸念を示している。

韓国鉄鋼協会のキム・ソンウ通商チーム長は「中国のセーフガード発動そのものよりずっと懸念すべきは、鉄鋼保護貿易主義がドミノ倒しに広がることで、需要先が見つかっていない鉄鋼製品が一部の市場に集中し、韓国の鉄鋼輸出に悪影響を及ぼすことだ」としている。

実際、韓国の今年第1四半期の鉄鋼製品の輸出は、15億7000万ドルと、昨年同期間比16.4%減少している。

とくに、「世界鉄鋼戦争」の震源地である米国への輸出が42%以上減ったのをはじめ、EU(25%)、日本(−21%)、香港(−41%)など多くの地域で減少している。



申致泳 higgledy@donga.com