民主化運動関係者の名誉回復と補償審議委員会が、解職された全国教職員労働組合(全教組)の教師を民主化運動関係者に一括認定した措置は、再考しなければならない。全教組関係者の民主化認定をめぐり、委員会内で1年余りの間論議を重ね、発表の延期や一部委員の辞任を招くほど、性格の規定が困難な事案であった。
全教組の解職教師らが、権威主義時代に教育改革に尽力し、不正な私学財団と勇気をもって闘った努力などは認められなければならない。しかし、全教組の根本的な性格は、教職者の権益を守るための労働運動であり、これを民主化運動であると解釈することは、論理の飛躍である。同じ論理を適用すれば、不法ストライキなどに参加して解職された全国労働組合協議会(全国民主労働連合総連盟の前身)の関係者らも、民主化の有功者と認めなければならない。
民主化の有功者として認められた1139人の全教組の解職教師は、その後ほとんどが復職したものの、未だに復職前の号俸(給与体系の等級)が認められず、年金などで不利益を被っているという。ならば、号棒の認定問題を別途解決する方法を探すことが先決で、教師の労働組合運動自体を民主化運動と認めることには無理がある。
当時、一部の全教組の教師のうち、中途半端な左傾論理や危険な北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)賛美論を幼い学生たちに教えて裁かれた者もいる。それだけでなく、伝統的な教育観を信奉して、教師を労働者として規定する労働組合運動に参加しなかった大半の教師の誇りに傷をつけはしないか心配だ。
教師にも労働組合の結成を許すのが世界的なすう勢であるものの、教師労組は次世代を教育するという特殊性のため、授業に被害を与え得る団体行動権の制約を受ける。全教組は、先日も民主労総のゼネストに参加して早退闘争をするなど、過激な運動を行なって、父母から非難を浴びた。
民主化運動審議委員会が、社会各界の意見を十分に傾聴せずに、性急に決定を下した感が否めない。






