情報技術(IT)部門関連ベンチャー企業の輸出が回復し、低迷したベンチャー企業に活気を吹き込んでいる。ベンチャー業界が収益性改善のために海外市場に目を向け、それが輸出という形で実を結んでいると言える。輸出市場におけるベンチャー企業の比重が増加し、ベンチャー産業の復活への期待感も高まりつつある。
▲増えるベンチャー輸出〓今年に入って、大企業などの輸出が依然として不調であるのに対し、ベンチャー企業の輸出は目を見張るほどの成長ぶりを示している。
産業資源部(産資部)によると、1月のベンチャー企業の輸出は4億3900万ドルと集計された。これは去年の同じ期間より36.8%も増加している。去年にも、大企業の輸出は21.1%減少したが、ベンチャーの輸出は14%増加し、明暗が分れた。
これは、IT分野の輸出の比重が、大企業の主力業種となっているコンピューターとモニターなどから、デジタル衛生放送受信機、MP3プレーヤー、個人携帯端末(PDA)などベンチャー業種にシフトしていることから現われている現象。三星経済研究所の金ジョンホ主席研究員は「このような流れは今年に入って、さらに加速し、ベンチャー企業の輸出はより増えるものとみられる」と予想した。
▲海外に目を向けつつあるベンチャー業界〓デジタルウェーは今年、米国と欧州市場に進出し、日本と中国に偏っている輸出地域を多角化する計画だ。米国の大手電子流通メーカーと手を結んで、米国全域の480の流通店に、年間15万〜20万台のMP3プレーヤーを納品する案も進めている。
超高速インターネット(ADSL)装備会社、コアセスは既存の製品に比べ価格は半分以下でありばがらも、速度は2〜3倍速いADSL装備で、海外市場でのシェアを高めている。同社のハ・ジョンリュル社長は「世界的な超高速インターネットブームに乗って、今年は輸出量がより増えるものとみられ、京畿(キョンギ)、城南(ソンナム)に自前の生産工場をもう一つ立てている」と述べた。
貿易赤字が深刻だったソフトウェア分野のベンチャー企業の輸出も増え、100億ウォン台以上の輸出を見込んでいる企業が相次いでいる。
チョンソフトは今年初め、欧州最大のソフトウェア企業、SAPにデータ保護SWの「ハードディスクセキュリティ」の80万ドル分の輸出が決まったのに続き、ダイムラー・クライスラー、ジメンツ、富士通などとも輸出契約を結んだ。今年の輸出目標は去年の67億ウォンより3倍多い200億ウォン。日本市場の攻略に乗り出した安哲秀(アン・チョルス)研究所も、今年の輸出目標を100億ウォン台に策定した。
▲輸出が頼みの綱〓輸出中心のベンチャー企業に資金が集中し、ベンチャー業界には「輸出だけが生き残れる道」だとの認識が急速に広がっている。未来エセットのパク・ヒョンジュ会長は「ベンチャー産業の復活のカギは輸出にかかっている。輸出実績によってベンチャー企業の明暗も分れるだろう」と述べた。
ウリ技術投資のグァク・ソンシン社長は「国内市場は狭く、ベンチャー企業が生き残りをかけて海外市場に参入している。輸出ベンチャー企業に資金が集まる現象は当分の間、続くだろう」と述べた。
政府も輸出ベンチャー企業の支援に本腰を入れている。情報通信部は上半期中にナスダックベンチャーファンドを作って、国内のITベンチャー企業の米市場への進出を後押ししていく計画だ。産資部はベンチャー総合商社を設立して、ベンチャー企業の海外進出と輸出、外資の誘致、戦略的提携などを支援する案を推進している。
キム・ジョンホ主席研究員は「ベンチャー輸出を拡大するには、ベンチャー企業の世界的競争力の確保が最優先だ。ベンチャー企業が困難を感じている海外市場のマーケティングや情報収集など業務に対する支援体系の整備が急がれている」と強調した。
金泰韓 freewill@donga.com · 金昌源 changkim@donga.com






