先日、あるテレビ番組で、韓国と先進国の高校での授業を比較した場面はショッキングなものだった。韓国の高校生たちは、朝7時から寝ぼけた顔のまま重い足取りで登校した。そして、自分の席に着くや否や、ほとんどの生徒が机にうつ伏せになったまま眠りにつき、教師は彼らを起こさなかった。韓国の高校生はインタビューの中で、ほとんどが朝食抜きで登校していると答えた。これに比べ、先進国の高校生たちは午前9時、明るい表情で登校し授業に臨んだ。わが国の高校生がこのように早く登校するのは「0時間目の授業」があるから。「0時間目の授業」は、正規の授業が始まる前に、1〜2時間早く登校して自主的に行なう学習(自律学習)時間である。
「0時間目の授業」をめぐり、社会的に議論が繰り広げられている。最近、教育人的資源部(教育部)のホームページには、0時間目の廃止を促す内容が続々と上がってきている。専門家団体の「こども青少年フォーラム」は声明を発表して、廃止を強く主張した。
賛否云々を離れて一番胸が痛むのは、育ち盛りの青少年が朝食もろくに摂れないまま、早朝から登校せざるをえない現実なのである。身体への悪影響も深刻なことながら、さえない表情で登校している生徒たちの様子を見ながら、彼らが抱えている過度な入試ストレスについても、改めて懸念せずにはいられなかった。
いくら入試競争が激しいとはいえ、0時間目の問題の解決法は比較的単純である。現実的に、0時間目の授業が生徒たちの学習にどれだけ役立っているのか、調べればいいからだ。教師らによると、かなりの生徒が0時間目に寝ており、その後の授業にまで支障を来しているという。かえって勉強に否定的な効果をもたらしているということだ。0時間目を廃止すれば、その分生徒たちには時間的に余裕ができ、学習の能率アップが図れるはずだ。
第一線の高校ではこの点を認めながらも、学校が先頭に立って0時間目を廃止するのは難しいとの反応を見せているという。他の学校に先立ち0時間目を廃止した場合、地域社会から教育に消極的な学校と言われるというのだ。他校との足並みを揃えたいがために、理不尽なことと知りつつ、是正に取り掛からない学校行政の硬直性と便宜主義に驚かずにはいられない。
学校現場ではそうであろうとも、教育部や当の教育庁は、日ごろこの問題を把握してはいたのだろうか。知らなかったとすれば、これまで何をしていたのか疑わしい限りだ。また、社会の無関心の中で、学校ではいかなる理不尽な事柄が起きているのか、心配せずにはいられない。教育当局の速やかな措置を促したい。






