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[オピニオン]新ラウンドの立ち上げに最善を

[オピニオン]新ラウンドの立ち上げに最善を

Posted October. 19, 2001 09:14,   

11月初めに中東のカタール・ドーハで開催予定の第4回世界貿易機関(WTO)閣僚会合を控え、次期多角的貿易交渉(新ラウンド)の立ち上げを目指して、緊迫した中論議が進められている。WTOがあるスイス・ジュネーブでは、休日や昼夜を問わず会議が開かれているうえ、最近シンガポールで主要20カ国の非公式閣僚会合が開かれ、交渉項目をめぐって若干の進展が見られたと伝えられた。

多くの国民にとって、数年前のウルグアイ・ラウンド(UR)がもたらした衝撃は今でも記憶に新しいことだろう。今回の新ラウンドも、先のウルグアイ・ラウンド同様、国際貿易と各国経済に多大な影響を及ぼすことは明らかだ。

まだ、農業、環境、反ダンピング(不当廉売)などの主要テーマへの合意が成されていないうえ、一部の途上国が、WTO協定の履行問題を新ラウンド立ち上げの先行条件としているため、今回の閣僚会合で新ラウンドの立ち上げが果たせるとは断言し難い。しかし多くの国家が、新ラウンドが、低迷した世界経済を回復させる触媒の役割をすると見ているため、新ラウンド立ち上げに向け、残りわずかの期間に最終の意見調整が活発に行われるものと思われる。中でも経済のかなりの部分を貿易に依存している韓国にとって、他のどの国よりも新ラウンドの重要性は大きいと言える。

新ラウンドを立ち上げるには、WTO加盟国が、先ず閣僚宣言文に合意しなければならない。先月26日に交渉項目および方向を概括的に盛り込んだ閣僚宣言文の草案が、各国に配付された。この草案は、韓国にとって有利な面がある一方、負担となる面もある。各国は自国の立場を反映させるために、これからの約3週間、熾烈な外交戦を繰広げるものと見られるため、草案がどう調整されるかは予測し難い。

農業分野での宣言文草案は、比較的中立的な内容だ。しかし、各国の利害がはっきりと分かれるだけに、いわゆるNTC(non—trade concern・非交易的関心事項)国家と呼ばれる韓国を始めとする農産物輸入国や、輸出国の会合であるケアンズ・グループおよび米国が、一同に不満の意を表明している。特にケアンズ・グループは、農産物貿易が工産品貿易の自由化水準に大きく劣っているため、より踏み込んだ農産物貿易改革の提示を草案に盛り込むことを主張した。これに反し農産物の輸入国は、農業の特別な性格を十分に考慮していない先走った内容だとし、不満を露わにした。したがって農業分野の閣僚宣言文の草案交渉は、まさに一寸先も見通せない様相で進められるものと思われる。韓国は、欧州連合(EU)、日本、スイス、ノルウェーなど他の輸入国と協力して、ケアンズ・グループおよび米国と熾烈な交渉戦を交えなければならない。

他の分野における閣僚宣言文の草案は、反ダンピング協定の改正、工産品関税および非関税障壁の緩和、政府調達の透明性協定の制定、通関手続きの簡素化など、韓国に有利な内容が盛り込まれている。反ダンピング協定の改正に対しては米国が反対の意を示しており、交渉項目に含まれるかどうかは今のところ不透明だ。韓国が関心を寄せている多者間投資協定の制定については、交渉草案から投資についての交渉をすぐに開始する案と、交渉開始に向けての事前作業を先ず進めるといった案が提示されたが、シンガポールの非公式閣僚会合で、復数国家間協定で進める案を支持する方向で意見がまとまりつつあると伝えられた。

今から11月の初めに開かれるドーハー閣僚会合までわずか1ヵ月足らずしか残っていない。最近の米国による対テロ戦争で、閣僚会合の開催地を変更することが望ましいという一部の声があるものの、閣僚会合の開催が必須であるということは、すべての国家が同意している。

前述のように、新ラウンドの立ち上げは、韓国にとって利益になることは明らかであるため、政府は交渉項目の選定や交渉の方向を多少調整してでも、新ラウンド交渉の立ち上げを目指して最善をつくさなければならない。このためには、政府内の関係省庁が緊密に協力して、早い展開が見込まれる閣僚宣言文案の交渉に機敏に対処しなければならない。また、国民も新ラウンド交渉を、まるで遠い国の話のように考えず、もう少し関心を寄せて見守る必要がある。

金迵壽(キム・チョルス)世宗(セジョン)大学総長