Go to contents

[書評]イスラムの暴力、米国が育てた 「醜悪な戦争」

[書評]イスラムの暴力、米国が育てた 「醜悪な戦争」

Posted October. 13, 2001 10:29,   

プロシアの将軍クラウゼウィッツ(1780〜1831)は、「戦争は他の手段を持ってする政治の実行である」と一喝した。そして「戦争は我々の意志を相手に強制するため意図された暴力行為」だと定義した。

では、米国が今回の戦争でアフガニスタン武装勢力のタリバーン政権に強制しようとする「意志」は何か。人類の「自由守護」(米国空襲作戦名)のため「テロ」という悪を根絶するということだ。では、その悪は果たしてどこから発源したのか。

連日続く空爆中継の騒ぎの中で,この本はジャーナリズムの観点から冷静に「テロとの戦争」事態の原因を突き止める。最近、報道を通じて短編的に知られた内容が鎖のように一つ一つ結ばれ、事態の本質を見極める眼を与える。

米ABCニュースの特派員で中東紛争専門家の著者が深層取材で得た結論は簡単だ。テロの最大の被害者の米国が実際ではイスラムテロ犯の挑発を助長し、今やその「醜悪な戦争」の対価を払っているということだ。

米国で訓練されたベテラン戦士らが1990年代に、スーダン、エジプト、アルジェリアといった北アフリカに広がり、各種のイスラム暴力闘争の核心勢力となった。「イスラム過激派との契約結婚」が産んだ「落とし子」のタリバーンも、米中央情報局(CIA)が「対ソ連ジハード(聖戦)」の資金で育でてきた麻薬の生産権を手に入れては米国に銃口を向けた。

これら武装団体は「イスラム・ユートピア」建設のため米国に的を合わせた。1993年のニューヨーク世界貿易センターの爆弾テロは氷山の一角に過ぎなく、その他にもどれほど多様なテロが試みされたかが本に詳しく列挙されている。米国が繰り広げた「汚い戦争」は、結局ブーメランとなってニューヨークの心臓部に刺されたわけだ。

著者は昨年に今のような事態を予見していたのか、このように勧めている。

「イスラム信仰を西側が突きつけるべき悪の化身にみなすような致命的なミスを犯してはいけない」と。原題「Unholy Wars」(2000)

「醜悪な戦争—アフガニスタン、米国そしてテロリズム」

John K.Cooley 著



尹正勳 digana@donga.com